【あらすじ・ネタバレ】「ブラック・ショーマンと覚醒する女たち」東野圭吾(著)

小説

「ブラック・ショーマンと覚醒する女たち」を読みました。

東野圭吾さんの作品は、あいかわらず読みやすくて素敵。

なんて言うんですかね。文章に足、いや目か、が引っかからずに、今回の作品もテンポよく読むことができて快適でした。

ということで、今回は「ブラック・ショーマンと覚醒する女たち」の、カバー&文庫本についてと、あらすじをネタバレで書きます。

いまえださく
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お越しいただきありがとうございます。

お時間ございましたら、お付き合いください。

 



カバー 文庫本

カバー

「ブラック・ショーマンと覚醒する女たち」には、TSUTAYA限定のオリジナルカバーがあります。
通常版はみずいろですが、TSUTAYA限定バージョンはピンク色です。

個人的にはみずいろ推しです。「ブラック・ショーマンと覚醒する女たち」の話の内容を考えても、すがすがしい・・・・・・みずいろが良いと思いました。

文庫本

「ブラック・ショーマンと覚醒する女たち」の文庫本は、2027年の1月の終わりから2月の頭くらいに発売されると思います。

通常、文庫本の発売日は、単行本の発売日の2年半から3年後くらいです。
「ブラック・ショーマンと覚醒する女たち」の単行本は、2024年1月24日に発売されました。
なので、2027年の1月から2月ごろに「ブラック・ショーマンと覚醒する女たち」の文庫本は発売されると考えました。

ちなみに前作の「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」の文庫本は、2023年11月14日に発売されています。
単行本の発売日が2020年11月30日なので、3年後くらいに文庫本が発売されていますね。

さらにのちなみに、東野圭吾さんの「白鳥とコウモリ」という作品も、単行本の発売日が2021年の4月7日で、文庫本の発売日は2024年4月3日、ほぼ3年後でした。

いまえださく
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さらにさらにのちなみに、「白鳥とコウモリ」は、とてつもなく面白いので、ぜひ。

あらすじ・ネタバレ

トラップハンド

陣内美菜じんないみわという女性がお金持ちの男性と神尾武司かみおたけしが経営するバー「トラップハンド」にやってきます。

美菜は金持ちの男に睡眠薬を飲まされそうになりますが、武司が、俺様の店で犯罪行為は許さん! と、自称金持ち男を返り討ちにしました。

ちなみに、神尾武司がブラック・ショーマンです。
高校を卒業後、単身アメリカに渡り、マジシャンとしてラスベガスのステージに立ったこともある強者です。
犯罪行為すれすれ・・・・の嘘や行動が得意技で、相手の行動から嘘を見抜くのも得意です。

この事件から鮮やかな武司の振る舞いにかれた美菜は、結婚相手の品定めをさせるために半ば強引に武司の力を借りることを勝手に決めました。

いまえださく
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美菜さんは、最後まで登場するナイスなキャラ、というか、「ブラック・ショーマンと覚醒する女たち」の主演女優です。

リノベの女

上松和美うえまつかずみの部屋を、神尾真世かみおまよがリノベーションすることになります。

神尾真世は、神尾武司の姪です。
文光ぶんこう不動産のリフォーム部で働いています。

真世はトラップハンドで和美とリフォームの打ち合わせをすることにしました。
そこで武司は和美が超お金持ちだということを探り当てます。

トラップハンドでリノベーションの打ち合わせをするうちに、三人は親しくなります。
しばらくして、和美が武司に頼みごとをします。内容は、何年も音信不通だった兄と会うために開店前のトラップハンドを使わせてくれないか、というものでした。

兄はお金持ちの和美からお金をふんだくろうとしていて、ゆするネタにしたのが、おまえ和美じゃないだろ、という和美さん別人なりすまし説です。
和美は、そんなことあるわけないだろ、というスタンスで兄を跳ね返しますが、兄は親子鑑定キットを武器に和美に詰め寄りました。

そんな和美のピンチを武司が助けます。
……が、和美が本当の上松和美でないことを武司は突き止めていました。

和美の本名は、末永奈々恵すえながななえ、と言い、本当の上松和美から依頼されて、お互いの人生を交換しました、と武司と真世は説明されました。

いまえださく
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武司がチカラまかせともいえるゴリ押しで兄を退けた、へ理屈の数々がおもしろかったです。こういうのが個人的に好きです。

ちなみに、上松和美さんと末永奈々恵はお互いに幸せだとは言えない人生を送ってきました。詳しくは本編で、ぜひ。

マボロシの女

歯医者でベーシストの高藤智也たかとうともやが死にます。

浮気相手だった、火野柚希ひのゆずきは打ちのめされました。

親友の山本弥生やまもとやよいは何とか柚希を立ち直らせようとしました。

柚希ちゃん復活作戦の筋書きを武司が考えます。

しかし、その筋書きには、智也の妻である高藤涼子りょうこの協力が必要でした。

浮気相手を立ち直らせるために本妻が協力する? というのがミソの話です。

そして、弥生が親友のために涼子に頭を下げ続けたことを柚希が知って何が大切なことなのかに気づくのがオチの話でした。

いまえださく
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個人的に微妙な内容のお話でした。理由は、武司のチカラまかせが少なかったから。笑

そんなことよりも、第一章の「トラップハンド」に出てきた美菜ちゃんが出てきます。

美菜ちゃんが武司に男の査定を依頼し、アイツ金持ってないね、と言われたときの「くっそー、またメッキ男だったか(127ページ)」と言ったのが最高でした。

相続人を宿す女

富永とみなが夫妻は、離婚後に死んでしまった悲運な息子が住んでいた4LDKのマンションに住むつもりでした。

しかし、間取りが不便だったので、リフォームしたい、と真世の会社に依頼しました。
ところが、リフォームの計画が白紙になります。

リフォームが中止になった理由は、息子の元嫁がゴネたから。
元嫁チームは、生まれてくる赤ちゃんは死んだ息子の子だから遺産を10億くれ、と言い出したのです。

元嫁、元嫁の今の彼氏と元嫁の姉貴が難癖つけて遺産をふんだくろうとしている、と思いきや、そうではないというオチ、どころか全員が善人で感動で涙こぼれるオチでした。

いまえださく
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以下から、感動のポイントをどうぞ。

元嫁の赤ちゃんは、生まれてきても長く生きられないのがわかっていました。
死んだ息子には妹がいて、妹の子供、奏太そうたは生まれつき心臓が悪く、医者から長くは生きられない、と言われていました。

元嫁チームは、お腹の赤ちゃんをドナーにすることを決め、奏太を救うために動き出しました。
しかし、原則として臓器の移植先は選べないことになっています。

この原則を解決するために、お腹の赤ちゃんが死んだ息子の子供である必要がありました。
なぜなら、臓器提供者が移植先に親族を選んだときは、親族が優先されるからです。

いまえださく
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武司のへ理屈が活躍しない、個人的にはちょっと……な章でした。

がしかし、本当に元嫁チームが良い人ばかりすぎて、感動をいただけた章でした。

理想をかかげ、違反すれすれの作戦を遂行すいこうした人たちに、おつかれさまでした、と言いたい。

また、関係者たちが正しいと思ったことを優先させればいい、という武司の相変わらずのスタンスにあらためて感動しました。

続・リノベの女

末永奈々恵の母親の久子ひさこは、娘は生きている、と信じていました。
しかし、軽度の認知症が始まっていた久子の言うことを誰も信じてはくれませんでした。

ちなみに、上松和美と人生を交換した本当の末永奈々恵は生きていて、死んだのは奈々恵のふりをした和美です。

そんな中、久子は娘が生きている証拠を見つけます。
久子は石崎直孝いしざきなおたかという親しい人物、というか、久子を担当してくれている老人ホームの社員に、奈々恵が生きている証拠を探してほしい、と依頼しました。

直孝は奈々恵を見かけたという証言をもとに、トラップハンドにやってきます。
直孝は、この女性を知りませんか? と武司に奈々恵の画像を見せますが、武司はナイスにすっとぼけます。

がしかし、そこに美菜さんがやってきて、奈々恵のことをトラップハンドでよく見かける、とか言い出し、直孝はガッツポーズで、武司は、ヒィィィーっ!! みたいな。
直孝が帰ったあと、武司は真世を呼び出して急なミーティングをすることになりました。

翌日、武司と真世は開店前のトラップハンドで直孝と会い、直孝からさまざまな情報を得ます。
一番の問題は、軽度の認知症を患っている久子が金銭の問題で入所している老人ホームから追い出される可能性があることでした。

死んだ奈々恵は久子のためにお金を残していったので、お金は十分にあるはずです。
にもかかわらず、なぜ金欠な事態になっているかというと、久子が奈々恵の死を受け入れないからです。
娘が残した遺産を相続することは娘の死を受け入れることになり、久子はそれが嫌なのでした。

ということで、武司、真世&元祖奈々恵は久子がいる老人ホームへマジックショーを披露しに行き、パスワード生成器を拝借して久子の口座へお金を振り込む、というミッションを行うことにしました。

いまえださく
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振り込みミッションが簡単に成功したのが少し残念でした。
もうちょっとこう、途中で直孝が邪魔をしにくるとか……みたいなことがあったら良かったかな、と思います。

まぁでも、久子と元祖奈々恵の触れ合いに重きを置いたら、振り込みミッションはあれで良かったのかもしれません。

査定する女

査定女子の陣内美菜さんは、数年前までアメリカで女優を目指して頑張っていた、という過去を持っていました。

美菜さんがアメリカでオーディションを受けたときに、美菜さんの女優としての才能に気づいた人物がいました。
その人物は、いつか美菜さんと一緒に仕事をしたいと思っていました。
そこで、知り合いだった武司の力を借り、現在の美菜さんがアメリカで女優としてやっていけるかどうかの試練、というか壮大なドッキリを仕掛けます。

美菜さんは、試練という名のドッキリをかいくぐり、女優としての道をつかめるのか!? という章です。

いまえださく
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この章は、ぜひ読んでいただきたいです。
なので、かなり適当……じゃなくて、わざとざっくりとあらすじを書きました。

魅力あふれる美菜さんの旅立ちをご自分の目で、ぜひ。

さいごに

「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」と比べると、「ブラック・ショーマンと覚醒する女たち」は軽めの内容だったと思います。
武司が殺人事件を解決する、みたいな内容を期待していた人には肩すかし・・・・だったかもしれません。

でも、わたしには、武司がちょっと困っている女子をお助け、的な感じが、とても良かった。わたしは今作を心地よく読むことができました。
個人的に、人が死ぬところまではいかないところの悩みで困っている人を助ける感じが、ブラック・ショーマンの立ち位置のような気がしています。

次回作も、武司のさらなる人間味のあるいい加減さと、するどい話術と行動力に期待したいと思います。

いまえださく
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以上です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。