【あらすじ・ネタバレ】「ぎんなみ商店街の事件簿」井上真偽(著)

小説

かなりの数の予約数をかきわけて、運よく「ぎんなみ商店街の事件簿(BROTHER編)」を図書館で借りることができました。

ぎんなみ商店街の事件簿は、BROTHER編とSISTER編を各編、各話ごと交互に読むのがオススメとされていますが、悲しいかな現在SISTER編は8人の予約待ち。

ということで、今回はBROTHER編のみのあらすじと登場人物をネタバレで書きます。

いまえださく
いまえださく

お越しいただきありがとうございます。

お時間ございましたら、お付き合いください。

 



BROTHER編とSISTER編どちらから?

BROTHER編とSISTER編のどちらから読むべき読むべきか?

あっちこっちのサイトを見ましたが「どちらから読んでもよい」という意見が多かったです。

ただ「BROTHER編の第一話を読んだら、SISTER編の第一話を読む」というように、各編、各話ごとに読むのがオススメのようです。

発売されたばかりの本を、各編、各話ごとに読むのは、わたしのような図書館組にはちょっとハードルが高いです。

図書館で借りるときは、BROTHER編とSISTER編を同時に予約するとか、しばらく待つ、という方法で同時に読むのもありかもしれません。

登場人物

木暮 福太(こぐれ ふくた)


木暮家の次男。高校生。剣道部。
ここ一発の閃きで事件を解決に導くすぐれ次男坊。

木暮 学太(こぐれ がくた)


木暮家の三男。二宮金次郎的な中学生。勉強ができる。
母親の死をきっかけに神だのみをやめた。
理路騒然とした考えで事件をゴール手前まで導くも最後に福太に差されて二着になることが多い。

木暮 元太(こぐれ げんた)


木暮家の長男。モデルばりのイケメン。24歳。
かなりのマザコンで歴代の彼女はすべて年ウェイ。
調理師学校を出たあと、あちこちで修業し、今は「ウール・ド・ボヌール」という店で働いている。
元太が作る弁当は福太の友人の間で大人気。

木暮 良太(こぐれ りょうた)


木暮家の四男。小学生。
サッカーをしている。
1歳のときに母親の怜が亡くなったので、兄弟で唯一、母親の記憶がない。

木暮 怜(こぐれ れい)


福太たちの母親。絵本作家。やさしさに包まれたならが得意技。
「ガンバの大冒険」のキャラクターにそって自分の子供の名前を付けた強者。
個人的に「ガンバ」と言えば、白いイタチのノロイが怖すぎたのを覚えています。

袴田夫婦


久光(ひさみつ)&加代子(かよこ)夫妻。
明治時代から続く「袴田商店」を経営している。
子供はいない。
怜は加代子を母親のように慕っていたし、良太は本当の祖母のように慕っている。

武宮 千草(たけみや ちぐさ)


女子大生。学太が通う塾で講師をしている。
元太に好意を持っている。そして、元太に居留守を使われている。
元太へと続く道はかなり険しい。ガンバレ千草さん!

鷹橋圭人(たかはしけいと)


福太の同級生。
元太が作った弁当が美味なのを知っていて、福太の弁当のおかずをいつも狙ってくる。
何度も福太に事件解決のヒントを与えるが、本人は気づいていない。

神山 園子(かみやま そのこ)


高級宝石店「ジュエリー神山」のオーナー。
見た目が銀座のホステスで、良太は「魔女オババ」と呼んでいる。
物語の要所要所で鈍く光るカリスマキーマン。

長谷川 美音(はせがわ みね)


エンジェル楽器を経営している。
シングルマザー。学太と同級生の娘がいる。名前は詩緒(しお)

主井 タンサニー(しゅい たんさにー)


ニックネームはマイカ。学太の中学校で外国語の非常勤講師をしている。
祖母がタイ人。

串真佐(くしまさ)


ぎんなみ商店街にある人気の焼き鳥店。
この店の三姉妹がSISTER編の主役。
三姉妹の三女と学太は友人。
学太は三女のことを「桃さん」と呼んでいる。

山根 百合香(やまね ゆりか)


元太が働いている「ウール・ド・ボヌール」の新オーナー。
神山園子の娘で、木暮怜に雰囲気が似ているラスボス。

あらすじ

第一話 桜幽霊とシェパーズ・パイ

袴田商店に車が突っ込んで運転手が死にます。

この事件に木暮家の四男、良太が関わってきます。

良太は事故を目撃していて、車が袴田商店に突っ込んだあと助手席から誰かが出てきたと警察に証言しました。

「何だかちょっとおかしいぞ」と、福太と学太が事故の調査を開始します。

で、たどり着いた結論が、事故の原因は良太だったというものでした。

具体的には「事故を起こしたドライバーは、良太が持っていたサッカーボールをよけて事故を起こした」と、福太と学太は結論づけました。

しかし、福太は友人の圭太との会話から違う仮説をたてます。

良太は加代子をかばっているのではないか? という仮説で、事故が起きた本当の原因は、加代子が運転するバイクがセンターラインをはみ出したことなんじゃないか? と考えました。

実際に本当のことはわからないから「このままでいいんじゃね?」と、この仮説は口外しないことにした四人兄弟でした。

いまえださく
いまえださく

いや、言わなきゃダメだろう、っていう(笑)

不動産会社勤務のドライバーは喉に焼き鳥の串が刺さって死んでいます。

情けない死に方をした、この人の名誉は?

残された家族の気持ちは? みたいな。

納得いかない結末だったので、SISTER編の結末に期待します。

ちなみにシェパーズ・パイとは?

羊の肉を使ったパイです。
シェパーズ・パイは、母親の怜がメアリーポピンズの中に出てきたので作ったそうです。

第二話 宝石泥棒と幸福の王子

ある映像を見た元太が「この宝石って、むかし母親が作ったレジンのやつじゃね?」なんて言い出しました。

そのことがきっかけとなり、昔ひと悶着もんちゃくあった事件が引っ張り出されます。

そんな中、学太の通っている中学校で事件が起こりました。

長谷川詩緒が焼き鳥の串で作った楽器が誰かに壊され、その楽器に飾り付けられていた宝石が盗まれます。

その楽器に飾りとして付けられていた宝石が、母親の怜が作ったレジンの宝石でした。

楽器が壊されていた現場には焼き鳥の串で「井」の字が残されていて、事件を目撃していた人物は「井」の字を現場に残して犯人を告発しようとしました。

福太と学太は推理を進め、告発者が詩緒だとわかります。告発者はわかりましたが「犯人が自分から名乗り出るまで犯人の名前は言いません」とか詩緒が言い出し、犯人はわかりませんでした。

昔ひと悶着あった事件

木暮怜がレジンの宝石を作る参考に本物の宝石を長谷川美音に借りたけど、その借りた宝石が無くなった事件です。

怜は美音に弁償金、数十万円を払いました。

そして、怜が作ったレジンの宝石はジュエリー神山に買い取ってもらいました。

宝石が無くなった当時、長谷川詩緒の家はろくでなしの父親のせいでお金に困っていました。

宝石が無くなったのは詩緒が盗んだからで、怜は詩緒が盗んだことを知っていました。

神山園子も怜にそのことを聞いて知っていて「他人の家の面倒ごとなんか抱え込むな」と怜に言いましたが、怜は「本当のことを言ったら、詩緒がどんな仕打ちに遭うかわからないから言わない」と答えました。

その後、怜は足しげく美音のところへ通い、美音とろくでなしの父親を離婚させました。という事件です。

いまえださく
いまえださく

木暮怜の痛快すぎる人の良さに感動しつつも、楽器を壊した犯人教えて、って感じでした。

ただ、頭のいい人なら状況証拠で犯人がわかるような気がします。わたしには無理ですけど。

第三話 親子喧嘩と注文の多い料理店

元太の店の経営者が変わり、外国人スタッフが急増します。

そのスタッフの一人のクェンが行方不明になりました。

紆余曲折あって「そのスタッフを誘拐したのは元太じゃね?」なんてことになります。

元太に直で聞けばいいのですが、ここ最近、元太は仕事が忙しく家を空けている状態が続いていますし、電話をしてもつながりません。

福太と学太は推理を進める中、「ウール・ド・ボヌール」の新しいオーナーの山根百合香と会います。

福太と学太は百合香に元太とクェンのことを聞き、元太は今、海外の富裕層に日本の高級グルメを提供する「ミステリーグルメツアー」に参加していることを聞きました。

元太を見つけるため、福太と学太は「ラーメン藤崎」の店主、藤崎勝男ふじさきかつおの手を借り、ミステリーグルメツアーの会場を突き止めますが、元太はミステリーグルメツアーに参加していませんでした。

福太と学太は「なぜ嘘をついたんだ!」と百合香を問い詰めました。百合香は「元太がわたしの結婚に反対していて嫌がらせをしているから」と答えました。

今後の対策を相談するために百合香の自宅へ福太と学太は向かうことになります。

百合香の自宅へ向かっている車中で、百合香は犯罪に加担していて、百合香がクェンを犯罪組織に引き渡そうとしていることに福太が気づきます。

ですが、福太と学太はすでに百合香に睡眠薬を飲まされていて大ピンチ。そのピンチを助けてくれたのが神山園子でした。

百合香と対峙した園子は、百合香を脅したり諭したりしながら場を収めます。

すべてを丸く収めた園子の活躍により、翌日に元太は家に帰ってきました。

いまえださく
いまえださく

実は園子と百合香は親子で、昔ひと悶着あった宝石事件にも百合香が関わっていたりします。

ですが、「マジで!?」みたいな驚きの展開や種明かしはありません。

どこまで行っても、内々の、そして商店街内の的な規模が小さい事件が続くので、驚きの展開よりも驚くぐらいの優しさに溢れる木暮怜のエピソードに目が行きました。

さいごに

「ぎんなみ商店街の事件簿(BROTHER編)」は、推理小説としては少し弱い感じがしました。

推理小説として読むと「アレっ!?」な感じですけど、木暮怜が生きていたときにしでかしたやさしさに包まれたならエピソードを読むと「アレっ!?」がチャラになるのも「ぎんなみ商店街の事件簿(BROTHER編)」の魅力だと思います。

推理小説としての弱い感じが、SISTER編を同時に読むと解消されるのかどうかはわかりませんが、やはりBROTHER編とSISTER編を章ごとに同時進行で読み進めるのがオススメかもしれません。

わたしには同時進行で読むことはできませんが、「ぎんなみ商店街の事件簿(SISTER編)」は近いうちに読みたいと思います。

いまえださく
いまえださく

以上です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。