「踏切の幽霊」は、こっちが泣きそうなくらい悲しい人生だった女性が残した謎をたどっていく物語でした。
軸になる謎は二つ。
殺された女性は誰なのか?
致命傷を負った女性が、なぜ踏切まで歩いたのか?
謎の女性の素性を追いかけるのが村田という記者です。
謎が解明されていく過程もおもしろいのですが、謎の女性が幽霊となって普通に出て来るのがさらにおもしろいです。
普通の物語なら、村田の前には幽霊が出て来るけど、他の人の前には「幽」の字も現れず「おいおい、村田くん大丈夫か?」という、エンディング付近まで村田にしか幽霊が見えないオチが多いはず。
しかし、「踏切の幽霊」の「幽霊女子」は違います。高校デビューというか、黄泉比良坂デビューで生前の陰気な性格はどこへやら。根暗だった過去にバイバイした「幽霊女子」は村田たちの前で大暴れ。複数人の前で存在をアピールしたり、警察の逆探知付きの電話取材すら断りません。もはや控えめなんてクソくらえな猛者幽霊です。
今回は、笑い方を知らないほどキツイ人生を送った女性が、幽霊女子となって悪を成敗する「踏切の幽霊」のあらすじと登場人物をネタバレで書きます。
「ヒデミス」というワードについても書きましたので、お時間ございましたらお付き合いください。
面白おかしく書いていますが、
安心してください、シリアスですよ。
遅れましたが、お越しいただきありがとうございます。
登場人物
● 村田 法夫(まつだ のりお)
「月刊女性の友」の記者。以前は、新聞社の記者をしていた。
奥さんが2年前に亡くなっているが、大好きな奥さんの死を乗り越えられていない。
心の炎は燃えている派で、幽霊女子の無念を晴らすために現役の衆議院議員をボコボコにする。
でも、人を殴り慣れていないので、手首を負傷する。
古巣の新聞社の株を持っているが株価は変動しないし、配当金もグロース並。
なので、株式の返還手続きをしたが、戻ってきたのは現金30万円だった。
個人的に小田急電鉄の株を買った方がましだと思う。配当金はグロース並ですが。
● 吉村 弘樹(よしむら ひろき)
若いカメラマン。明るくて、やるときは結構やってのけるしたたかさん。
カメラや撮影の知識に富み、要所要所で鋭い指摘やナイスアイデアを披露し、活躍する。
村田とコンビを組み幽霊女子のネタを追いエンディングまで登場する。
がしかし、助演男優賞まではいかない、個人的に可哀そうだと思うキャラ。
● 幽霊女子 猛者幽霊
最後まで名前がわからない髪が長い女性。
1993年12月6日、午前1時3分に殺害された。
殺された後すぐに刺した相手の精神を破壊したので仕事は早い。
父親は最低のゴミ。母親の名前は文子さん。
箱根のさらに山奥にある「鶫野」という集落出身。
にもかかわらず、生前に「わたしは元ホテル経営者の娘よ」とか令嬢風を吹かせたので、話がややこしくなった。
午前1時3分に松田さん宅に電話をするクセがある。
松田さんが寝不足なので、やめてあげて。
● 野口 進(のぐち すすむ)
63歳。当選回数11回を誇るベテラン議員。
建設大臣や与党幹事長などの要職を歴任していた。
大手ゼネコンから5000万円の闇献金をもらったが、罰金5万円で済ます、したたかさん。
人を人と思わない鬼畜ジジイで幽霊女子の殺害にも関与した。悪役としては最高級な人物。
死ぬ数時間前に松田にボコボコにされたが、面の皮が千枚張りで逆に松田の手首がグにょる。
よくやった松田さん。お大事に。
● 荒井(あらい)
北沢警察署刑事課の係長。20年ぶりに会った松田に協力してくれる。
幽霊女子のうめき声を聞き、「あの声は本当の断末魔の声だ」と太鼓判を押す。
● 井沢 勉(いざわ つとむ)
「月刊女性の友」の編集長。ちなみに「月刊女性の友」の出版元は「秋文館」。
村田とは20年前からの付き合い。
村田が新聞記者をやめたとき、「月刊女性の友」に誘った。
数人の社員とともに幽霊女子を見る。
● 岡島 恵美(おかじま えみ)
キャバクラのナンバー2。またの名はエリー。
ナンバー2まで上り詰めるだけあって頭がいい。
生前の幽霊女子と一緒に暮らしていた。
幽霊女子ほどではないが、キツイ人生だったよう。
がしかし、めちゃくちゃ性格がいい子だと感じました。
恋人は暴力団の構成員。
性格がいい子がろくでなし男子を選ぶ傾向があるのはなぜだろう……?
● 島地 勇(しまじ いさむ)
27歳。傷害と窃盗の前科がある、広域暴力団の構成員。
10代のころから犯罪行為を重ねてきた累犯者。
謎の女性を殺害した犯人で、殺害現場の廃屋で心神喪失状態で逮捕された。
幽霊女子を殺害した直後に幽霊女子に返り討ちにあう。
「幽霊になるの早くね?」「手続きってないの?」とか思いつつも、「幽霊女子の仕事はマッハの仕上がりぃぃぃっ!!!」で、個人的に処理いたしました。
ちなみに
「累犯者」は犯罪が好きな迷惑な人のこと。
「初犯」犯罪一回目。
「再犯」犯罪二回目。
犯罪が三回目、四回目……となると「累犯」になるそうです。
知らなかった。勉強になりました。
● 間宮 清枝(まみや きよえ)
霊媒師。夫は間宮泰章。
初登場するシーンで夫が運転する助手席に乗っていたのが、好感度大でした。
「普通なら後ろの席でふんぞり返っているはずだ」という、個人的な霊媒師のイメージをくつがえしてくれました(笑)
ちょっぴり太り気味の体を地味な色のコートに包んだ出で立ちは、どこの商店街にでもいそうな普通のおばさん。
「側でなく中身で勝負する。やはりこの女性霊媒師はモノホンだ!!」(笑)
本当に幽霊女子を招霊します。
あらすじ
ざっくりなあらすじを書きます。
「松田法夫」は「月刊女性の友」という雑誌の記者で「踏切の幽霊」の主人公です。
松田は奥さんを二年前に亡くしています。しかし、松田は奥さんの死を乗り越えることができていません。松田が奥さんの死を乗り越えていないところが要所要所でポイントになり、印象に残るシーンが多数あります。
松田は「吉村弘樹」というカメラマンとコンビを組んで「下北沢三号踏切」で起こった殺人事件を調査していきます。
下北沢三号踏切で殺害されたのは、こっちが泣きそうなくらい悲しい過去を背負った女性なのですが、物語は「売春婦が殺されても自業自得」的な感じでスタートします。
この女性は悪徳政治家と暴力団の勝手な都合で殺害されますが、死んだ瞬間からリベンジし始めます。
普通の物語だと、松田や吉村が「幽霊をフィルムに収めたい」というような幽霊の存在自体の謎を追いかけますが、「踏切の幽霊」の謎は幽霊女子の素性です。幽霊女子の素性は、パワーを持った大人たちが、とある理由で消しました。
その幽霊女子の素性を、松田&吉村が謎として追いかけます。
幽霊女子は社会的に信用がある大人複数人の前にガンガン出てきますので、幽霊の非公開性というか機密性とかは、まるでなしです。幽霊が怖い感じもありません。幽霊女子が出て来ると、なんか悲痛な感じです。
最後に、幽霊女子の死ぬまでの人生を知って、致命傷の出血で踏切まで歩いた理由を知ったとき、松田と一緒に泣けてくると思います。
村田と一緒に、幽霊女子の人生をたどってみてはいかがでしょうか。みたいな。
あらすじは、ざっくりこんな感じです。
普通とはちょっと違う幽霊モノで正直怖くないですが、
「踏切の幽霊」は幽霊的な怖さを求めている人にもお勧めできるおもしろさです。
もう少しあらすじを知りたい方へ、以下から章ごとのあらすじを書きますので、
お時間がある方は見ていってください。
プロローグ
まず、本編には出てこない人たちの話。
おそらくですが、小田急電鉄のロマンスカーの運転士と車掌さんが奇妙な出来事に遭遇する話です。
電車の運転士の間で噂になっている踏切があります。
その踏切では、事故は起こらないけど、電車が緊急停止するという事案が多発していました。
運転士「ヤベっ!? 線路に人がいるぅぅぅぅっ!!!!!」
てなことで、フルブレーキングしますけど、電車は急に止まれない。
運転士「ヤベっ!? やっちまった……」
運転士と車掌で線路上を調べますが、何も見つかりません。
噂の踏切は「下北沢三号踏切」という踏切でした。
1
松田法夫と吉村弘樹は自民党本部で野口進のゼネコン汚職を取材します。
松田は他の記者に押しのけられてずっこけ、「うわっ」という声をテレビ中継されたにも関わらず、収穫がないさんざんな取材でした。
松田は昼過ぎに出社し、編集長から「野口進のゼネコン汚職の記事はやめて『心霊ネタ』を取材しろ」と言われます。
ということで、松田&吉村コンビが「下北沢三号踏切」の心霊ネタを追いかけることになりました。
この日のというか、あくる日になりますが、午前1時3分に松田の家に電話がかかってきます。
松田は電話に出ていないので、誰からかかってきたのかわかりませんが、もちのろん幽霊女子からでしょうよ。
ちなみに、この「心霊ネタ」を追いかけていた前任の記者は、交通事故に遭って離脱しています。
この前任者は幽霊女子のタイプではなかったのでしょう(笑)
2
松田&吉村は、「心霊ネタ」の取材を始めます。
三件の心霊ネタを取材しましたが、全部ガセ。幽霊のオチが「猫の爪とぎ」だったり、「教頭先生が創作したニセ怪談」だったりしました。
四件目で、お待ちかねの「下北沢」に着地。主婦と大学生に取材し、撮影された8ミリ・フィルムを吉村が見ました。そのフィルムを鑑定した吉村は「これはモノホンです」と言い、主婦と大学生と話した松田も「これは、いたずらじゃない」と感じました。
主婦と大学生と別れた松田&吉村は、「下北沢三号踏切」を取材しました。
松田は帰宅し、吉村は会社に戻って写真を現像します。帰宅した松田のところへ電話がかかってきて「踏切で撮影した写真には何も写っていなかった」と吉村は言いました。
ですが、8ミリ・フィルムの方は「フィルムに映っていたものが幽霊だったら、すべての辻褄が合う」と言いました。
吉村と電話で話したあと、松田が「幽霊でもいいから、一緒に食卓を囲みたい」なんて思いながら寂しく酒を飲んでいると、空気を読んだ幽霊女子から電話がかかってきます。もちろん午前1時3分です。
受話器を取った松田は、若い女性の苦悶のうめき声を聞きます。
松田は全身の毛が逆立ちカチンコチンで動けないまま、しばらく電話機を見つめました。
「幽霊女子さんのナイスタイミング電話で、松田の心をワシづかみはオッケーです」みたいな感じで第二章は終了します。
3
翌日、出社した松田は「イタ電してきただろ?」と心霊ネタに関わっている人に聞きまくります。
しかし、みなさん「知らんがな」と答えます。
いやぁ~なわだかまりと気味の悪さを拭えないまま、松田は仕事を始めることになりました。
まず鉄道会社に電話取材しましたが空振り。その後、警察関係者の知り合いをたどり、たどり着いた先に荒井指定警部補がいました。
指定警部補とは?
優秀な警察官が現場にこだわって「管理職イヤだ」と拒否し、警部補の役職を死守。
警部補の中で特に実務レベルが高い警部補が指定警部補になるそうです。
警部補よりも警部は年収が100万円弱多いみたいです。
そんなに違うのか、と思いました。
松田が「『下北沢三号踏切』のことが知りたい」と言ったら、荒井はすぐに調べてくれます。
ここで、1993年12月6日、午前1時3分に「下北沢三号踏切」で起こった殺人事件のことがいろいろとわかります。
ちなみに、松田が「『キャバクラ』ってキャバレー?」と聞いたら、荒井に「違うわ」と言われます。一つ勉強になった松田さんでした。
荒井の話から、殺害された女性の身元が不明だとか、犯行現場のバラックで島地勇が心神喪失状態で逮捕されたとか、心臓をさされて1.5リットルも出血していた女性がなぜ長い距離を歩けたのか、などの事実と謎の情報を松田は手に入れました。
事件の前に被害者によく似た女性が現場付近で何度か目撃されていたこともわかります。この女性は電車を眺めていたようですが、理由は物語の最後にわかります。
4
次の日、松田は踏切で起こった殺人事件のことを井沢編集長と吉村に話し、被害者の写真を見せました。二人は「心霊写真の女性とクリソツじゃねーかっ!?」と固まりました。
クリソツ写真に「もろたで工藤!!!」的なパッションを感じた井沢編集長は、「被害者のことをもっと掘り下げろ!」と提案します。
ここで、松田法夫人生で最大の失言をしました。
「死んだ売春婦の身辺調査ですか。酔狂なことですな」
83ページ
松田法夫は、後々このフレーズを言ったことを心の底から後悔することになります。
編集部を後にした松田&吉村は、犯行現場のバラックへ向かいました。
ここでも被害女性が近くにある公衆電話で助けを呼ばずに、どうして遠い踏切へ向かったのかに疑問と興味が出ました。
その後、松田は「下北沢三号踏切」を見に行きます。電車が迫る中、踏切の中に人が立っているのを見つけた松田は「自殺だ」とその人物を助けようとします。ですが、吉村にブロックされました。
「馬鹿野郎! 人がいただろ」的な態度の松田に、吉村は「安心してください、誰もいませんよ」みたいな。さすがに電車にひかれると入院では済みません。この段階では幽霊女子は松田を殺す気満々なのかもしれません。
松田の何が悪かったのか? 「死んだ売春婦の身辺調査なんて酔狂」という言葉に、かなりカチンときている幽霊女子だと思われます、が本命かな。もしくは電話の態度ですかね。「もっと優しく、幽霊女子のうめき話を聞いてあげないと」とか、勝手に思いましたが、どうでしょうか?
この日というか、次の日の午前1時3分に松田の自宅にまた電話がかかってきます。
電話はもちろん幽霊女子からです。松田は幽霊女子の断末魔のうめき声を登り切り、すすり泣き八合目まで到達。八合目で踏ん張り「なんか、しゃべれる?」と受話器に向かって語りかけた松田は、エクソシストに一歩近づきました。
「松田さん、今回はちゃんとできたじゃん」とか思いました。
5
松田は翌日からキャバクラの取材をします。
古い知り合いの元木からキャバクラの知識を授けてもらいますが、キャバクラの取材は難航しそうだし、お金もかかりそうなことがわかりました。
松田は吉村とキャバクラへ行き取材しますが、お金ばっかり減るだけであまり素敵な情報は得られません。
幽霊女子が「聖子ちゃん」だとか「明菜ちゃん」だとか、「紫式部ちゃん」と呼ばれていたことがわかったくらいです。影が薄い幽霊女子のことを数名のキャバ嬢が覚えていた理由は、幽霊女子の特徴的な「作り笑い」を覚えていたからでした。
幽霊女子の本名はわかりませんでしたが、紫式部ちゃん時代の同僚の「清少納言ちゃん」が、幽霊女子とルームシェアしていた人物を教えてくれます。
名前は「エリー」と言い、清少納言はしぶしぶ本名が「岡島恵美」だと教えてくれます。岡島恵美が歌舞伎町のキャバクラで働いていると聞いた松田&吉村は歌舞伎町へ向かいました。
松田&吉村は、エリーが働いているキャバクラに入店します。店で二番人気のエリーの攻撃力の高さは凄まじく、何を言われても肯定的な言葉を返すエリーの客のあしらい方のうまさに松田は舌を巻きました。
そろそろいいだろうという頃合いが来たので、岡島恵美に幽霊女子の写真を見せましたが、ポーカーフェイスで「どこで何をしているか知らない」と言われます。
「どこで」に違和感を覚えた松田は、岡島恵美に「写真の人、亡くなってますよ」と言いました。岡島恵美は隠しきれない衝撃を受けて青ざめていました。
岡島恵美とは確実ではないものの、後日、会う約束をして帰ることにしました。指名料が加算されたレシートには8万円を超える値段が記入されていました。ここまでに使った額はすでに20万円近くになっていて大赤字です。
店を出ると警察がいて、岡島恵美が働いているキャバクラは坂東組のフロント企業が経営していて、「覚せい剤の売人の行動確認をしているところだから、お前ら邪魔すんな」と言ってきました。
その後、キャバクラを見張っていた松田&吉村は、ヤクザと岡島恵美が仲良くしているところを目撃します。
このヤクザと昨年の年末にハワイへ2か月間も旅行へ行っていたので、岡島恵美は幽霊女子が殺害されたことを知らなかったのです。
6
松田は駅の売店で目に付く限りの風俗雑誌を買いそろえました。店のおばちゃんが仏頂面でした。
「いい年こいて絶倫か。汚らわしい」みたいな眼差しを向けるおばちゃんに、「いや違うんです。仕事なんです」と言えない松田の逃げ足はウサイン・ボルトを越えました。
買ってきた風俗雑誌から岡島恵美が働いているキャバクラを見つけ、広告主を調べると「遊客コーポレーション」と印刷されていました。「遊客コーポレーション」は、張り込み中の刑事に聞いた坂東組のフロント企業の名前です。続けて幽霊女子が働いていたキャバクラを調べてみると、そこの広告主も「遊客コーポレーション」でした。
さらに、幽霊女子を殺害した島地勇が坂東組の関係者だとわかり松田はガッツポーズしたとかしなかったとかしていると、岡島恵美から電話がかかってきます。松田は赤坂のスポーツクラブで岡島恵美と話すことになりました。
岡野恵美に話を聞く松田ですが、わかったのは幽霊女子が「山田真理」「佐藤弘子」「中村由美」などの偽名を使っていたことだけ。ルームシェアをしていた岡野恵美でさえ、幽霊女子の本名を知りませんでした。
岡島恵美は幽霊女子から教えてもらった小鳥の折り紙を松田に見せました。
岡島恵美は、作り笑いが得意技だった幽霊女子が一度だけ、すごく幸せそうに微笑んだことがあったと言います。
幽霊女子が微笑んだのは、小鳥の折り紙を折りながら、「父親が大きなホテルを経営していて、子供のころはプールや花壇がある御殿みたいな家に住んでいた」と話したときだと、岡野恵美は言いました。
さらに幽霊女子について聞こうとする松田でしたが、幽霊女子が銀座の高級クラブに行けた理由を聞こうとすると、彼氏に「言うな」と言われているから話せないと岡野恵美は答えました。
その後、岡島恵美が「幽霊女子が亡くなった場所」を聞いてきたので、松田は「下北沢三号踏切」と答えました。
岡島恵美が去り際に「ヒントはあげたわよ」と松田に言いますが、
松田と同様、わたしにもヒントが思い当たりませんでした。
彼氏が「『言うな』と言ったこと、かなぁ?」と思ったのですが、ちょっと違う気もします。
お時間があれば、「踏切の幽霊」を読んでヒントを考えてみてください。
自宅にいた松田に荒井から電話がかかってきます。松田が荒井と話したかったメインの理由は「島地勇に面会できないか」という話でしたが、「やっぱり無理」という結論に達し松田はガッカリ。
そのあと、荒井が「蛇足だけど」と話した内容に松田は衝撃を受けます。
話しの内容は「『下北沢三号踏切』で男女の心中があった」というものでした。ここまでだと「へぇー」みたいな感じですが、男女の身元を聞いて松田は固まります。
男性の名前が「高田信吾」で、女性の名前は「岡島恵美」でした。
さらに松田は、高田信吾は即死し、岡野恵美は重症で入院していると聞きました。すぐに松田は岡野恵美が入院している大学病院へ行き、面会することにしました。
岡野恵美の病室へ入ると、岡野恵美は外れない婚約指輪を一生懸命に外そうとしているところでした。婚約指輪が外れ、岡野恵美は松田に「下北沢三号踏切」で起こったことと、幽霊女子について知っていることを松田に話しました。
スポーツクラブで松田と別れたあと、岡野恵美は高田信吾と一緒に「下北沢三号踏切」へ行きます。岡野恵美が高田信吾に幽霊女子が死んだことを話すと、「死んだことをなぜ知っている」と高田信吾は豹変しました。豹変した高田信吾に「上の命令で、お前とは口封じのために付き合っている」と言われた挙句に、岡野恵美はパーで殴られました。
さらに「記者に銀座の件をどこまで話したんだっ!」と激詰めしてくる高田信吾がグーパンチを繰り出そうとした瞬間、けたたましいラップ音をバックに幽霊女子が降臨。高田信吾は「あいつ生きてるじゃねーか」と踏切に向かって歩き始めますが、岡野恵美には何も見えません。
高田信吾が「下北沢三号踏切」に到着し、遮断機が下りている線路内に入ろうとしているのを岡島恵美は全力で止めようとしました。しかし、ガテン系ヤクザの突進力は凄まじく、高田信吾の腰から下にタックルした岡島恵美は引きずられながら二人仲良く列車に吹き飛ばされました。岡野恵美が気がついたとき、そこは救急車の中でした。
心中物語を話し終えた岡島恵美は「全治一か月なんて運が良い」と言いました。さらに岡島恵美は、「全部話す」と言い、中野のキャバクラを辞めたあとの幽霊女子の行方を話し始めました。
岡野恵美が話した内容は、政治家の愛人を選ぶために銀座のクラブ「シャブロン」に痩せたキャバ嬢ばかりが集められ、幽霊女子が選ばれたということ。キャバ嬢を集めたのは「坂東組」で、幽霊女子を愛人にした人物は「野口進」だったことでした。
「その話をどうやって知ったの?」と聞いた松田に、岡野恵美は「幽霊女子から直接聞いた」と答えました。さらに「高田信吾がしつこいくらいに幽霊女子のことを口止めしてきたこと」や「幽霊女子の転居先はわからないこと」などを岡野恵美は話しました。
最後に岡野恵美は「幽霊女子はまだあの踏切にいて成仏できていない」「政治家の悪事を暴いて成仏させてあげて」と松田に言います。
松田は「やってみる」と答え、さらに「野口進のことだけは、警察に言わない方がいい」と岡野恵美にアドバイスしました。このアドバイスは、政治家のことをヘタに言うと警察の捜査に横やりが入るからです。
7
松田法夫が究明しなければいけないのは、野口進の収賄事件と下北沢三号踏切でおこった殺人事件のつながりです。
松田は、芸能記者の川瀬と鬼の情報通「石川隆志」から情報を集め、岡島恵美の話をもとに仮説をたてました。その仮説を吉村に話します。場所は「シャブロン」が見える喫茶店で野口進の張り込み中でした。
去年の4月に幽霊女子は野口進の愛人にされた。
翌月の5月に野口進が談合疑惑を不問にするように公正取引委員会に働きかけている。
この一件は、野口進と栄興建設の間で現金のやり取りがなかったと確認され問題にならなかった。
談合疑惑で便宜を図った野口進への賄賂は現金ではなく愛人だった。
その愛人として選ばれたのが幽霊女子だった。
地検特捜部が野口進を内定し始めたのが去年の12月で幽霊女子が殺された時期と同じ。
地検特捜部の捜査で栄興建設との関係が明るみになると、野口進は約束された総理総裁への道がなくなる。
なので、幽霊女子もろとも身元につながるものすべてを坂東組が消した。
これが松田が出した仮説です。
この仮説を聞いた吉村は「とんだゲス野郎だっ!」と言いました。そして「シャブロン」から出てきた野口進をばっちりフィルムに収めました。
しかし、問題もありあり。幽霊女子の名前すらわかっていない状態で、野口進と幽霊女子の関係の裏付けができるのか、どうか。
鬼の情報通「石川隆志」すら知らなかった野口進と幽霊女子の情報を知っている可能性にかけて、松田は島地勇に面会するべく、相棒2と一緒に東京拘置所へ突撃します。
8
松田は東京拘置所にいる島地勇に突撃インタビューをします。
対応してくれた刑務官は矢崎さんでした。矢崎さんは変なことを言います。「お連れの方は、どうしました?」「女性の方、いらっしゃいませんでした?」松田が相棒2を連れてきたことがバレバレです。
松田は島地勇と面会し、まず野口進の写真を見せました。
しまじー「……」
次に松田は幽霊女子の写真を見せます。
しまじー「ぎぃやぁぁぁーっっ!!!!!」
しまじー「女を連れてきやがったなっっ!」
しまじー「あんたの後ろから血まみれの女が見てるぅぅっっ!!!」
しまじーこと、島地勇は発狂して警備隊員に連れていかれました。
その後、島地勇は「急性致死性緊張病」とやらで死にかけ、医療刑務所に移送されます。
島地勇から幽霊女子の身元を聞き出せなかった松田は荒井に助けを求めます。
松田は幽霊女子がかけてくるイタ電をインタビュー電話に変えて、さらに逆探知しようと考えました。
松田宅に三人の刑事がやってきて、テープレコーダーを電話機に設置し準備は万端です。でも、松田は「毎晩、電話がかかってくる訳ではありません」とやんわり保険をかけます。
普通のゴーストストーリーなら、電話はかかってこないはずですが、幽霊女子は違いました。キッチリ午前1時3分に電話をかけてきて、刑事三人の前で迫真のうめき声を披露して見せました。
がしかし、迫真のうめき声はテープに残っていませんでした。でも、逆探知には成功する不思議。
逆探知でわかった電話先の契約者は「鈴木忠男」さん。誰それ? みたいな。
9
荒井と約束をしていた松田と吉村は笹塚駅に来ました。
荒井と部下の加藤刑事と合流した二人は、鈴木忠男のマンションへレッツゴー。鈴木忠男さん宅は301号室で、荒井が鈴木さん宅を確認すると留守でした。
ということで、管理人室に突撃。管理人さんいわく、「今、301号室は無人で鈴木さんは出張で名古屋へ行っている。二週間ほど301号室には誰もいないはず」とのことでした。
荒井が「昨夜も?」と聞きましたが「はい」と答える管理人。荒井は「いやそんなはずはない!」と食い下がりましたが、管理人は「鈴木忠男は33歳で同居人はいません。昨夜、あの部屋で電話が使われたのは、何かの間違いじゃね?」と答えました。
その後、301号室の前の住人を調べてもらうと「高田信吾」という名前が出ました。高田信吾は岡島恵美の元恋人。坂東組のヤクーザです。
さらに、幽霊女子の写真を管理人に見せると「1年くらい前によく見かけた」と証言し、301号室から出た忘れ物があると言って、小さなビニール・ポーチを出してきました。
そのポーチを開けると写真が入っていて、写真には作り笑いが特徴的な少女が写っていました。写真には少女へつながりそうな手掛かりがありました。少女の背景に学校のような建物が写っていて「大阪友愛学園」という文字が確認できました。
「大阪友愛学園」を調べてみると、児童養護施設だとわかります。「大阪友愛学園」は僧侶が篤志でやっていた小さな施設で、今は閉所していることがわかりました。施設がなくなったあとの児童の受け入れ先は、残念ながらわかりませんでした。
その後、島地勇が死に被告人の死亡で公訴が棄却されます。下北沢三号踏切の殺人事件の審理は終了しました。
八方ふさがりの中、松田にモノホン霊媒師の間宮夫婦から連絡があります。
モノホン霊媒師は「踏切の写真はモノホンだ」と言ってから、知らないはずのことをバンバン言い当てていきます。「もうこれしかないんじゃね?」ということで、松田はモノホン霊媒師に深夜に踏切まで来てもらって招霊をしてもらうのにいくらかかるのかを訪ねました。
「5万円だ!」と返事がきました。
あら、いやだ。
深夜なのに意外とリーズナブル。
とか、思いました(笑)
10
大人二名に深夜の踏切まで来てもらってなんやかんやしてもらうことを考えると、5万円は安いのかも知れないと思いかけましたが、高いなやっぱり、と思う今日この頃ですが、松田はモノホン霊媒師に招霊を依頼しました。
わたしと同じようなことを考えた担当の編集者もいたようで、工藤という担当編集者が「たかだか心霊ネタで、霊媒師に5万円も使うのですか」みたいなことを言ったら、編集長が「われわれは本気だっ!!」と言いました。個人的な名シーンで名言です。
道路の使用許可も申請し準備は万端、招霊時間の30分前に霊媒師の間宮夫婦が到着しました。
各々あいさつを交わし雑談をします。その雑談でモノホン霊媒師の間宮清枝は、松田の後ろに亡き妻がいると言いました。幽霊女子のときと同じく、間宮清枝は知らないであろうことをガンガン言い当て、「奥さまは幸せのうちに旅立たれた」みたいなことを言うので、松田は涙をこらえるのに必死でした。
ということで、午前1時3分に招霊が始まります。ビデオカメラのセッティングもバッチリ。カメラの準備も万全です。
がしかし、間宮清枝に霊が憑依したと思われた瞬間、踏切が真っ暗に。電源が落ち、カメラのシャッターも下りません。
チーム一丸となってビックリしていると、空から木を引き裂くようなラップ音が聞こえ、踏切に淡い霞のような影が空中で揺れていることに気がつきます。
淡い霞はだんだんと人影のようになり、その白い人影がどんどんこちらに近づいてきました。みなさん後ずさりたいけど後ずされず、いい大人がみんなで仲良く固まっていると、松田にだけ「つぐみの」という単語が2回聞こえました。
その後、間宮清枝が甲高い声を上げます。電源が戻り、カメラのシャッターが連射を始めました。下北沢三号踏切は普段通りに戻りました。
「見た?」「見ました?」「ちょーやべぇよ」が繰り返される中、間宮泰章が「ここまでのことは滅多にないっ!」と言いました。
わたしも「ここまで複数人の前に現れる出たがりの幽霊って滅多にいないっ!!」と思いました(笑)
11
「つぐみの」しか手掛かりがないので、みんなで「つぐみの」を調べますが「これだ!」という手掛かりはヒットしません。
松田が、あるバードウォッチング愛好家に「『鶫』という単語がついた『何か』を知らないですか?」という、無謀というか雑な質問をしました。すると「『鶫野』という地名があるぜ!」とナイスなバードウォッチング愛好家は言いました。
大阪友愛学園の絡みから「鶫野」は大阪の近くかと思いきや、神奈川県の山の中に「鶫野」はありました。
翌日、松田は「鶫野」に行く予定を立てます。「鶫野」へは電車で2時間半です。
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関東に住んでいませんし、鉄道にも詳しくないですが、松田は小田急電鉄のロマンスカーに乗車したと思います。
小田急電鉄のロマンスカーで新宿から箱根湯本まで行くと、「きっぷ運賃」と「特急料金」で約2300円。「結構するのね」と思いましたが、距離が90キロほどあるので「まぁ、そんなもんか」とも思いました。とかどうでもいい話。
松田の目的地「鶫野」は、グーグルマップを見ると箱根町と函南町の境界線あたりにありました。マップを見ると「箱根くらかけゴルフ場」や道の駅があったりして、1994年当時の本の中ほど殺伐としたイメージの土地ではなかったです。とかもどうでもいいですね。
ということで、松田は「鶫野」に到着します。
松田が「鶫野」で出会った人に幽霊女子の写真を見せると、ことごとく「知らない」と言われます。でも、「あれは知っている顔だ」と確信する松田さん。しかし、わかったのは「この集落で幽霊女子のことを話すことはタブーだ」ということだけでした。その先にある幽霊女子の情報を聞き出す名案が浮かばず松田は先に進めません。
松田が「どうするかなぁ……」なんて考えていると、鳥の折り紙を持った子どもたちに出会います。二人が持っていた折り紙は岡島恵美が見せてくれた折り紙の鳥でした。その折り紙の鳥は、幽霊女子直伝の折り紙の鳥です。
「よっしゃー!!」とガッツポーズをしたとかしなかったとかの松田さんは「折り紙を誰に教わったの?」と女の子たちに聞きます。女の子たちから詳しく話を聞いた松田は、女の子と幽霊女子に鳥の折り方を教えた人物が住む家にたどり着きます。
幽霊女子や女の子に折り紙を教えたのは幽霊女子の母親でした。松田は母親から、幽霊女子が父親から受けたひどい虐待のことや、その虐待のうわさが原因で集落を追い出されたこと知ります。
さらに、幽霊女子が作り笑いをしていた理由は「幼い頃は辛いことばかりで笑える出来事がなかったから笑い方を知らなかった」ということを知りました。
「頑張って笑っていたんだなぁ」と思うと、ほんと泣けてきます。
またここは、幽霊女子の悲しい人生を聞いた松田が「幽霊女子がすでに亡くなっていること」を母親に伝えるのが嫌で、なんとか話を変えようとするも遅すぎて「くそぉぉ、おれか……。俺が言わなきゃならんのか。マジか」みたいな気持ちがひしひしと伝わってくる名シーンです。
村田と母親の会話が書かれている、単行本の255ページから259ページくらいまでは読んで損はないと思います。父親が小学生の幽霊女子に何をしたのかも詳しくわかりますので、ぜひ読んでみてください。
ちなみに、
母親との会話で、村田は幽霊女子の本名や生年月日を知っていますが最後まで語りません。
生きている時から幽霊のような生き方をしていた幽霊女子の本名を明かしたところで大した意味はなく、「自分自身が知っていればいい、覚えていればいい」と松田は考えたのではなかろうか、と思いました。
新宿に戻った村田は悪徳政治家の野口進の自宅へ取材をしに行きます。
すでに村田のはらわたは煮えくり返りなので準備は万端。松田は「ゴングっ!」と同時に野口進をボコボコにしました。
村田はマッハで警察に連行され、マッハで釈放されて、自分が捕まっている間に野口進が死んだことを知らされます。
ちなみに、野口進の自宅から救急搬送の依頼があった時刻は午前1時3分でした。
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野口進の死因に「村田とのバトルは関係なし!」と医者が証言したため、野口進の死因は急性心不全とされました。村田に、野口進が死んだことに関するお咎めはありませんでした。
心霊ネタの記事はボツになり、代わりに「悪徳政治家の実態を端的に書いた記事」が雑誌に掲載されることになりました。
村田は「辞表」を出します。会社で身辺整理が終わったころには日が変わっていました。松田が帰ろうとすると吉村が現れて「飲みに行きましょう」と誘いますが、「行くところがある」と松田は断ります。
「じゃ、送っていきますよ」てなことで、松田は下北沢まで吉村の車で送ってもらうことにしました。
エピローグ
記事が掲載されなかった理由が知りたい吉村は、下北沢へ向かう道すがら村田にいろいろと質問します。
松田は記事が掲載されなかったことについて「野口進が愛人を殺害したことのウラが取れなかったから仕方がない」と話しました。
「なら、心霊ネタに戻せばいいじゃん」と言った吉村でしたが、村田が「編集長が、さすがにモノホンっぽい心霊ネタを公にはできないって判断したんだと思う」と言うと、吉村は「仕方がないのかなぁ」と納得した様子でした。
二人が乗った車が到着したのは下北沢三号踏切ではなく、幽霊女子が死んだバラックでした。
吉村に「おひとりさまでおっけーですか?」と聞かれ、「おっけーよ」と答える村田。別れ際に「そういや、鶫野で何もわからなかったんですか?」と吉村に聞かれ、松田は「幽霊女子がなぜ踏切まで歩いたのかがわかったよ」と答えました。
「あそこを通る電車に乗れば彼女は故郷に帰ることができた」と話した村田に、吉村は「ああ、そうだったのか」と感慨深げに言いました。
ということで、松田は幽霊女子が待ち構えている、バラックに突撃します。
松田がバラックに入ると幽霊女子がいました。暗闇に浮いている「完璧に死体な」いで立ちの幽霊女子を見て松田はカチンコチンになりますが、ガッツで幽霊女子を抱きしめようとします。
しかし、松田が幽霊女子と触れ合いそうになった瞬間、幽霊女子は消えました。
バラックから出た松田が「下北沢三号踏切」の方を見ると、線路の上を白い人影が行ったり来たりしていました。
その白い人影は抱きしめようとすると消えてしまうほど儚い存在で、松田は見ていることしかできませんでした。
松田は、幽霊女子が故郷へ、母親のところへ帰ることができるように祈って物語は終わります。
幽霊女子を殺害したのは野口進と坂東組です。
がしかし、幽霊女子が死んだ原因のそもそもは父親の極悪な所業ですし、集落の人たちがひどい仕打ちを受けた幽霊女子を集落から追い出したのが「そもそもじゃねーか」とも思います。
関わり合う人99%に最後の最後まで運がなかった幽霊女子のことを思うと悲しくなりますね。
「ロマンスカーに乗ってお母さんのところへ帰って一緒に折り紙を折れるといいね」なんて、わたしも松田さんと同じように祈りたくなりました。
ヒデミス
「ヒデミス」って何ぞや!? 「ひでぇミステリ」の略?
検索をかけると「小島秀夫」さんというゲームクリエイターの方がいらっしゃって「小島秀夫」さんがその年におもしろかったミステリを12作品選ぶそうです。
なので、「ヒデミス」は「ヒデオのミステリ」の略何でしょう、たぶん。
「ヒデミス」が開催されるのは2023年で三回目。「踏切の幽霊」は2023年度の「ヒデミス」に選出された13作品のうちの一作品です。
いつもは12作品らしいのですが、2023年はなんだかんだと12作品にしぼりきれず13作品になったそうです。
ちなみになんですけど、「ヒデミス」には以下の作品も選出されております。発売日順に並べてみました。
選出リスト
1「ミン・スーが犯した幾千もの罪」 トム・リン
2「真珠湾の冬」 ジェイムズ・ケストレル
3「踏切の幽霊」 高野和明
4「頰に哀しみを刻め」 S・A・コスビー
5「わたしたちの怪獣」 久永実木彦
6「卒業生には向かない真実」 ホリー・ジャクソン
7「生存者」 アレックス・シュルマン
8「怪獣保護協会」 ジョン・スコルジー
9「8つの完璧な殺人」 ピーター・スワンソン
10「トゥルー・クライム・ストーリー」 ジョセフ・ノックス
11「ナイフをひねれば」 アンソニー・ホロヴィッツ
12「グレイラットの殺人」 M・W・クレイヴン
13「この密やかな森の奥で」 キミ・カニンガム・グラント
個人的には「わたしたちの怪獣」が気になりましたが、みなさんはどうでしょうか?
以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。