道尾秀介さんの「N|エヌ」を読む順番はこう!

小説

「N|エヌ」は6つの章で構成されています。

読み方は720通りあり、どの章から読むのも自由です。

ですが、空っぽの状態で最適なルートを読み進めたいじゃないですか。

なので、わたしが考える最適であろう、な順番を書きたいと思います。

「N|エヌ」では、基本的に1つの街が舞台になっていて、そこに住む何人かの登場人物のことが描かれます。

あっちの章で登場した人が、こっちの章にも登場するような感じです。

人と人とのからみがうまく描かれているので、そこを楽しみたい。

ですから、おすすめの読む順番はこうです。

(1)「笑わない少女の死」

(2)「消えない硝子の星」

(3)「落ちない魔球と鳥」

(4)「飛べない雄蜂の嘘」

(5)「名のない毒液と花」

(6)「眠らない刑事と犬」

 



笑わない少女の死

「笑わない少女の死」は淡々と物語が進んでいく、6つの章の中で1番静かな章だと思います。

ですから、1番はじめに読むのがいいと思いました。

少女はオリアナ、英語教師は新間にいま先生、看護師は飯沼知真いいぬまかずまです。

オリアナのネックレスはウラン硝子製です。

オリアナが持っていた箱には何が入っていたのかがキーになります。

「アイソーアホリブル」は、「I saw a horrible(恐ろしい)」ではありません。
「消えない硝子の星」でわかります。

中学校の英語の先生が外国人の先生と日本語で談笑しているのを思い出しました。

消えない硝子の星

飯沼知真 いいぬまかずまが成長しダブリンで看護師をしているときのはなし。

飯沼知真は少女オリアナと母親のホリーのためにウラン硝子のシーグラスを探します。

母ホリーが口にする、「ホリーの青(Holly blue)」はルリシジミこと。
ルリシジミは、「Holly(セイヨウヒイラギ)」に好んで集まる蝶です。
ホリーにルリシジミのことを教えるのは「飛べない雄蜂の嘘」のわたしです。

英語教師の新間にいま先生が飯沼知真の回想に出てきます。

章の最後に、飛行機の中から飯沼知真が薄明光線はくめいこうせん(エンジェルラダー)の花を見ます。

落ちない魔球と鳥

30年ぶりにチャンス到来! ニシキモさん、念願の薄明光線の花を見るの章です。

女子高生のお悩み相談や、どこかへ飛んでいったヨウムのことはどうでもいいです。
ニシキモさんが薄明光線の花を見ることができた、それだけでいいです。

港でフォークボールの練習をしている小湊普哉こみなとしんやと、港で釣りをしているニシキモさんが話を引っ張ります。

小湊普哉が殿沢とのざわ先輩に絡まれているところを助けるのが新間にいま先生で、街の英雄、小湊英雄こみなとひでお(兄)と普哉しんや(弟)どちらかの担任だったのが吉岡利香よしおかりかです。

ペット探偵の江添正見がでてきます。

ニシキモさんが、忍び返しを知っていた理由が「飛べない雄蜂の嘘」でわかります。

飛べない雄蜂の嘘

ニシキモ(錦茂)さんが、わたし(チエ)を2回助ける話。
30年ほど前の話がメインです。

ニシキモさんがどういう人かわかります。

薄明光線(エンジェルラダー)の花の話とルリシジミの話が出てきます。

目を閉じて、30年後に薄明光線の花をニシキモさんとわたし(チエ)が別の場所で見ていることを想像すると、心にしみいるものがあります。

いまえださく
いまえださく

チエさん、ニシキモさんは案外近くにいまっせ!

と、叫びたかったです。

名のない毒液と花

13年前の話が大筋ですが、章の最後は「眠らない刑事と嘘」の何時間かあとの話になっています。

吉岡利香よしおかりか江添正見えぞえまさみが命を救いますが、命を救えなかった話でもあります。 

吉岡利香が飯沼知真の担任の新間先生と話すシーンがあります。

目玉島に隠れて見えないエンジェルラダーのくだりで終わります。
このエンジェルラダーは、成長した飯沼知真も見ています。

眠らない刑事と嘘

街で50年ぶりに起きた殺人事件のはなし。

最後に「そうだったのか」というサプライズがあります。

ペット探偵の江添正見えぞえまさみ(36歳)と女性刑事が犬を探すのがメインのはなし。

女性刑事は「名のない毒液と花」に出てきた刑事さんで、江添正見がなぜ動物を探す能力にたけているのかがわかります。
そのきっかけを作ったのは(たぶん)ニシキモさんです。

また、章をまたいで多くの登場人物が描写されるシーンがあります。

ですから、「眠らない刑事と嘘」は最後に読みたいです。

2つの章のセット読みがおすすめ

2つの章のセット読みがおすすめです。

「笑わない少女の死」と「消えない硝子の星」

「落ちない魔球と鳥」と「飛べない雄蜂の嘘」

「名のない毒液と花」と「眠らない刑事と犬」

2つずつに分けた章は関連性が強いので、セットで読むことをおすすめします。

逆に、2つずつをセットで読めば順番はお好きにでいいのかな、とも思います。

わたしは「笑わない少女の死」を最初に、「眠らない刑事と嘘」を最後に持ってくるのがベストだと思ったので、下記の順番になりました。

(1)「笑わない少女の死」

(2)「消えない硝子の星」

(3)「落ちない魔球と鳥」

(4)「飛べない雄蜂の嘘」

(5)「名のない毒液と花」

(6)「眠らない刑事と犬」

いまえださく
いまえださく

みなさんはどの順番で読むのがベストだと思いしたか?

まだ読んでいない方の参考になれば幸いです。

最後まで読んでくださってありがとうございました。