表表紙、裏表紙、背表紙のイラストがすばらしい本を見つけました
ただ本書、2,500円+税です
2,500円+税の本を買うのって
手に汗にぎりませんか?
そうだ!!
図書館へLet’s Go!!!
そんなこんなで、地方の図書館
ここんちの図書館で「この本、読みたいな」と思って「あります?」「いや、ないです」というやり取りも、しばしば。しかも、本書は販売されてから日も浅いので蔵書されている可能性も低い。
「ヤフオク、まだ出品されていないのか」「アマゾンの中古本は、まだこんなに高いのか」などなど、「これはしばらく読めないな」という思いを巡らせながら図書館で聞いてみることにしました。
「アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険」ってあります?(ちょい小声)
ありますよ(自信満々、に見えた)
xっゅ!!!???
貸出中ですけど
・・・・・・ぉぃ(笑)
そう、表紙がすばらしく素敵な本は「アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険」という冒険小説です。
って、すでにこの記事のタイトルに本のタイトル出てますけど。
そのあと、1週間後くらいに「『アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険』が返却されました」と連絡が来ました。
で、笑顔で図書館へ直行。対応してくれた方は自信満々の図書館の人だったんですけど。
どんな内容?
「アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険」というタイトルなので、主人公はアーサー・マンデヴィルさん。
そのアーサーさんが、父であるジョン・マンデヴィルさんをディスりながら旅をする話です。
なぜジョンさんがディスられているかというと、ジョンさんが書いた「東方旅行記」が原因。
この「東方旅行記」は、ジョンさんが生前に故郷のイングランドからオリエントの国々を34年かけて巡り、旅先で見聞きしたことを書き記した書物です。
でもこれが事実を記した書物ではなくて「東方旅行記」は嘘八百の物語。
なぜ嘘八百の物語なのかというと、ジョンさんが東方旅行していたであろう期間中にアーサーさんがイングランドで生まれ、イングランドでジョンさんがアーサーさん相手にイクメンをしていたから。
つじつまを合わせようともしないジョンさんに
オリエンタルな男気は感じますけどね(笑)
また、ジョンさんは「東方旅行記」をローマ教皇へ献上していました。
献上直後は何の音沙汰もなかったものの、十数年したころローマ教皇から音沙汰が。
ローマ教皇ウルバヌス6世は、異教徒の策略によって未曽有の危機に瀕しているローマを救うため、「東方旅行記」にあるプレスター・ジョンの大国に力を借りたいと。偉大なる冒険家のジョン・マンデヴィルの息子なら大丈夫だから、アーサーお前ちょっとプレスタ―さんとこへ行って来いと。
「東方旅行記」が嘘八百の物語だと言えないアーサーさん。しぶしぶ出発するも、頃合いを見てイングランドへ帰ろうとするのですが、ところどころで邪魔が入り・・・・・・
- 羊のなる木の種を持って帰ろうと考えたり、やばそうな羊なのであきらめたり
- 女子に嫌われ魚にされそうになったり、うまく泳げるようになったり
- とても気前がいい犬に助けてもらったり、犬の行動に感動したり
- 抜くと死ぬ草を取らされそうになったり、犬に助けてもらったり
- サーファー女子と一緒に波乗りしたり、サーファー女子を可愛いなと思ったり
- 金持ちの犬ぐらいの大きさのアリさんを見たり、そのアリさんと戦うファイターを応援をしたり
- 美人のなる木の種を持って帰ろうと考えたり、やばそうな美人さんなのであきらめたり
などなどを満喫しながら旅をする冒険小説です。
冒険小説っておもしろいのか?
おもしろい。想像以上に楽しく読めました。
2,500円以上の価値、おお有りです。
いや、図書館で借りたんですけど(笑)
小説なので「これなんだっけ?」なんて、もっとページを行ったり来たりしなくてはならないと思っていたのですが、15ページから364ページまで、ガッツリ没頭。サックサク読み進めることができました。
あまり深い内容を書くとアレなので、どこがどう面白いのかは詳しく書けませんが、一緒に旅をする修道士のペトロスさんや、義弟のエドガーサンとのやり取りが面白かったです。
ゴムゴムの3刀流のシェフがグランドなLINEで旅を予約しているわけではないので、ハラハラドキドキの冒険シーンは少ないです。けれど、ちょっと危ないシーンでの「だから言っただろう」「ほら言わんこっちゃない」という、アーサー&ペトロスの狙撃の王様的なやり取りがいいです。
あとはやっぱり、次々に出てくるファンタジーな生き物や植物の設定が良いです。「マンドラゴラ」を引き抜くときの声を聴くとアレな設定は有名ですが、「バロメッツ」や「美人果」などの設定も「ギリギリでちょっとヤバイよね」的でおもしろかったです。
また、これらの生き物は表紙だったり挿絵だったりに描かれています。「えっ!? コレこいつか?」なんて、表紙や挿絵を見るのも楽しかったです。
アーサーさんの思い込みかもしれませんが
父のジョンさんが「東方旅行記」を書いた理由もわかります
ちょっと、モヤモヤしてましたが
ハッピーエンドじゃないかと
おわりに
「暇つぶしぐらいにはなるかなぁ・・・・・・?」と考えていた「アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険」でしたが、残りのページが少なくなっていくにつれて「もう終わりか・・・・・・」「冒険小説っておもしろいのね」と感じている自分にビックリ。
さらに、「冒険小説を子供のころからもっと読んでおけばよかった・・・・・・」と、ちょっと後悔している自分にもビックリしてます。
「アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険」を読んで良かったことは、「違う冒険小説も読んでみよう」と思ったことです。はい、すでに検索済み。
次は、筒井康隆さんの「旅のラゴス」を読んでみようと思っています。
「アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険」は、とにかく読みやすい本です。「えーっ!? 冒険小説なんておもしろいの?」なんて冒険小説初心者さんにも、「最近、ちょっと活字離れしているなぁ」なんてプチ活字リタイアさんにも「アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険」はおすすめです。
と、いうことで!!
だまされたと思って
図書館へLet’s Go!!!