おもしろくて
わかりやすくて
webやSNSでバズる文章をサクサクっと書きたいんだけど
良いアイデアない?
そんなものはない
じゃあ、たくさんの人に読んでもらえるエモい文章をサクっと書きたいんだけど
良いアイデアない?
そんなものもない
「読みたいことを、書けばいい。」を読むと、そんなものがないことがわかります。
本書について
「『読みたいことを、書けばいい。』人生が変わるシンプルな文章術」
(著者 田中泰延、ダイヤモンド社)
2019年6月12日 第1刷発行
著者の田中泰延さんは、学生時代に6000冊の本を乱読されたそうです。
また、電通で24年間コピーライター・CMプランナーとして活躍されたそう。
いやいや、6000って・・・・・・
なぜ読みたいことを書くのか?
なぜ読みたいことを書くのか?
それは、自分が読みたいことを書けば楽しいから。
自分がおもしろいと思わない文章を他人が読んでもおもしろいわけがないから。
だから、自分が読みたいものを書く。
それが「読者としての文章術」だ。
(「はじめに」から)
と、著者はおっしゃっています。
宇多田ヒカルには勝てない
また、多くの人にとっては「なにが書いてあるか」よりも、「だれが書いたか」のほうが重要であると著者はおっしゃっています。
具体的には、こんなことが書かれていました。
腰の痛みと眠気に耐え「ローマ帝国1480年の歴史」を丹念に調べ上げ、
自分が読んでおもしろいウンチクやギャグをちりばめた文章が、
宇多田ヒカルが書いたおいしかったロースかつ定食840円の話に完敗する。
いやそれはちょっと悲しい・・・・・・と思いつつも、言われてみればそれはそうかと
だから、「バズりたい」「たくさん読まれたい」「有名になりたい」などという思い違いは捨てることが大切です。
顔も知らない読み手を喜ばせる文章を書くよりも、「よく知っている自分が楽しい気分になれる文章を書くほうが簡単だし、幸せなことだと気がつくべきだ」と著者はおっしゃっています。
読みたいことを、どう書くのか
では、読みたいことを、どう書いていくのか?
著者曰く、要約するとこの4行だそうです。
事象に出会ったとき、
そのことについてしっかり調べて、
愛と敬意の心象をいだけたならば、
過程も含め、自分に向けて書けばいい。
(「195ページ」から)
141ページから203ページまである「第3章 どう書くのか」の195ページに、「4行で済ませばよかった。」と書かれています。
この4行を個人的に解釈すると、こんな感じだと思います。
モノ、コトやヒトについて見聞きしたり知ったりしたら、 ググるのではなく「図書館」へ行き、一次資料を調べて、 「資料を読み込み愛せるポイントを探す」「自分以外に敬意を払う」そんな準備ができたら、 自分が最も心を動かされた部分だけをピックアップして、自分に向けて書けばいい。
ちなみに、一次資料とは、「ここが話の出所で行き止まり」のような資料のことです
読み手やターゲットは想定しなくてもいい
また、よく言われる、読み手やターゲットは想定して書かなくていいそうです。
なぜなら、その文章を最初に読むのは間違いなく自分だからです。
自分で読んで面白くなければ、書くこと自体が無駄だと解説されています。
「わたしが言いたいことを書いている人がいない。じゃあ、自分が書くしかない」
(「102~103ページ」から)
読みたいことを書く出発点はこうだと著者はおっしゃっています。
まとめ
本書には「ここをこうして」「そこはそうして」などという、具体的な文章術は書かれていません。
巻末に、たくさんの人に読んでもらえて、おもしろくてわかりやすい文章を簡単に書く方法がはっきりと書かれています。
そんな物はない
(「270ページ」から)
ないのかい!(笑)
しかし、本書にはこんなことも書いてあります。
自分が読みたくて、自分のために調べる。
そして、それを書く。
良いことを書けば、その文章は必ず良いところへ連れて行ってくれるし、素晴らしい人との出会いがある。
だから辛くても書く。
もしひとりの目にしか触れなかったとしても、読んで感想をくれたら、自分のために書いたはずの文書が、その人のために書いたことになる。
それはとても素敵な奇跡だ。
だから、自分のために読みたいことを書けばいい・・・・・・。
書くことがつらくなったときや、書くことがおもしろくなくなってしまったときに、もう一度、本書を読み返してみようと思います。
そんな、文章術のこころがまえが書かれていた本でした。
あぁそうだ!
本書を読むと、たいやきが目の前にあらわれるかもしれませんし
軍靴の音が聞こえてくるかもしれません
なぜたいやきや軍靴の話が出てくるのかは、本書を読んでいただけるとわかります。
なので、ぜひ本書を手に取ってみてください。