立派な文章を目指す必要はない。
「素材」に目を向ければ、文章はすぐに書けてしまう。
そう、「文章の問題地図」の著者はおっしゃっています。
「素材」3つで簡単に文章が書けるノウハウを紹介します。
素材とは?
素材とはこの3つことです。
・事実
・数字
・エピソード(会話・感想)
まずは素材を集めることから始めます。
次に、どの素材をどれだけ使うか、素材3つを整理します。
素材を整理せずに考えながら書こうとするから時間がかかるし、最初から完璧をめざすから書くのに時間がかかるのです。
素材を集めて整理して、あとで推敲するつもりで、まずは粗々で良いので最後まで書いてみることが大事です。
わたしは以下ののように素材を書きだしています
- A4のコピー用紙を横にして、上に「誰に」「何を伝える」のかを書く。
- その下を縦線で3分割する(エピソード枠はちょっと大きめで)
- 縦線で区切った3つの枠の上部に、事実・数字・エピソード(会話・感想)と書く。
- あとは、とにかく事実・数字・エピソードを書きまくる。何が材料になるかは、わかりませんから。
- そのあと、使えそうな素材に○をつけたり、色の線を引いたりしています。
- 最後に使えそうな素材を「こうで、こうで、こう」。並べ替えたら文章が完成です。
書くことが見つからないよ
書くことがないのはその場でメモを取っていないからです。
・感想の対象となるものの内容を書いていない。
・自分が感じたことをメモしていない。
この2つを意識してみましょう。
感想となるのは、この4つです。
・何を感じたか
・何を学んだか
・何に驚いたか
・何を次につなげていきたいか
本書を読んだ
わたしの感想は、この4つです
- 「こんな簡単でいいのか?」と感じ、
- なんでもメモする。「とにかく、とにかく素材集めだ!!!」と、素材の大事さを学び、
- 集めた素材のプラスマイナスだけで、かなりイイ感じの文章になることにビックリ!?
- メモ書きの素材の精度を上げ、素材を選ぶスピードを上げ、文章を書くスピードを上げたい!!!
こうで、こうで、こう
構成は「素材」を箇条書きにして、矢印をつけて「こうで、こうで、こう」を考えます。
以下のような素材があったときのことを考えてみます。
~Before~
1最新鋭の機械も入っている
2先代から事業を引き継いだ社長
3何より人を大切にすることを先代に教わった
4そのために工場を作り替えた
5この5年間、離職者はゼロ
6未経験でも学べる
7工場は5年前に新設
8会社は工場街・太田区にある
「読み手」を20代の転職を考えている人にして、上記の素材を「こうで、こうで、こう」すると下記のようになります。
~After~
1この5年間、離職者はゼロ
2未経験でも学べる
3会社は工場街・大田区にある
4工場は5年前に新設
5先代から事業を引き継いだ社長
6何より人を大切にすることを先代に教わった
7そのために工場を作り替えた
8最新鋭の機械も入っている
「こうで、こうで、こう」しても、「なんか違う!?」なんてことが多いと思います。わたしも苦手です。
そこで、素材を3パターンくらい「こうで、こうで、こう」してみると、理想とする構成に近づくと思います。
何パターンか試してみると、かならず無理のない流れの理解しやすい構成が見えてくると思いますので、お試しあれ。
長文の基本フォーム
長文の基本フォームは以下の流れです。
- 「共感」
- 「異論」
- 「異論の理由」
- 「新たな発見」
- 「結論」
「読み手の共感」から入る。
わかる!
「じつは違うのでは」と読み手に「異論」を唱える。
え!そうなの!?
その「異論の理由(裏づけ)」を書く。
なるほど!
加えて、「新たな発見」で驚かせる。
え~~~~~!!!
「結論」を伝える。
おもしろかった!
真の目的とは?
まずは「真の目的」「読み手」をしっかり確認することが大切です。
お客様へのメールを例にすると、お客様向けのメール自体は「表面上の目的」になります。「お客様にメールを書く」、この行為は、しなければいけなかったり、命じられた目的のことですから「真の目的」ではありません。
お客様にメールを書くだけでは、必要な「素材」もはっきりしてこないし、どういった構成にするべきかもはっきりしません。
そこで、ここから一歩踏み込んで「真の目的」を考えてみる必要があります。
・お礼のメール、なのか
・提案のメール、なのか
・謝罪のメール、なのか
・確認のメール、なのか
・問い合わせのメール、なのか
メール1つとっても、さまざまな用途のメールがあります。
メールの内容次第で必要な「素材」が変わってきますし、構成も変わってくるはずです。
目的を「表面上の目的」で終わらせず、「真の目的」まで落とし込んでみる。そうすることで、一気に文章が書きやすくなります。
・何のための文章なのか
・誰が読むのか
この2つを必ず確認することが大切です。
ひとくちにメールといっても、さまざまな「真の目的」と「読み手」があって、それに合わせた文章を作っていかなければいけません。
「面白い」の設計
「読み手」と「目的」で「面白い」を設計する。
どんな人に + 何を伝えたい? = その人たちに面白いこと
「だれ」に
・未就学児に
・幼稚園児に
・小学生に
・中学生に
・高校生に
・20代に
・30代に
・40代に
・50代に
・60代に
・70代に
・80代に
+
自動車の「○○」
・運転の楽しさ
・危なさ
・メカのおもしろさ
・安全性
・外装の美しさ
・シートのこだわり
・チャイルドシート
・タイヤの奥深さ
・洗車の仕方
・車検のメカニズム
・高齢ドライバーの注意点
・ローンの使い方
=
書くこと 面白い!
まとめ
大事なのは「相手に伝えよう」という気持ち。
文章は自分のためにあるのではなく、相手のためにあるものだから。
だからこそ、中身=「素材」の大切さに目を向け、書く前の取り組みをすれば、文章を書くことへの苦手意識はグッと小さくなるはずです。
・真実
・数字
・エピソード(会話・感想)
3つの素材を大切にすること。
どんな人に、何を伝えたくて、何のための文章を書こうとしているのか。
事前に資料を読み込み、情報を整理し、構成をする。
書くのは、その先のことです。
参考文献
「文章の問題地図」「で、どこから変える?」伝わらない、時間ばかりかかる書き方
(上阪 徹 著、技術評論社 発行)