【感想・禅語】『心をととのえるスヌーピー』悩みが消えていく禅の言葉

実用書

いろいろな自己啓発本はありますが、スヌーピーが心をととのえてくれるとは斬新よね。

そんなことを考えつつ本書を手に取りました。

禅や坐禅、本書で紹介されている禅語と感想を書きたいと思います。

坐(THE)禅(ZEN)

禅も禅語も詳しく知らないので「ちょっと読んでみようかな」と思い読み始めました、が。

そもそも「禅」って何なの? ということで、「禅」を検索しました。

ウェブ情報をかき集めたわたしなりの解釈ですが、「禅」を知らない方は、ぜひ以下を。

禅とは

「禅」はサンスクリット語の「静かに考えることを」を意味する言葉で、元はヨガの瞑想方法の一つだそうです。

「禅」の目的が精神を統一をして、人間本来の生き方をしようというもの。

なので、精神統一をするために坐禅をおこない、心が動じない状態を目指します。

坐禅と警策(きょうさく・けいさく)

「坐禅」をするメリットの一つは、幸せホルモンの「セロトニン」が分泌されることです。

セロトニンは精神を安定させるので、不安やストレスを和らげて苦痛を軽減するのに一役買います。また、坐禅をすると精神統一もできるので、仕事や生活にもいい影響がでます。

ちなみに、坐禅をしているときに棒でたたかれるあれは「警策(きょうさく・けいさく)」と呼ばれており、「こいつ坐禅に集中できていないな」と判断されると警策が飛んできます。

警策は、文殊菩薩(もんじゅぼさつ)の励ましということです。

「叩かれて励ましってなんやねん」ということなりますが、警策は文殊菩薩の手の代わりと考えられているので、「文殊菩薩から直々にファイトをいただけた」なんて考えると、警策も無いよりの有りなのかもしれません。

禅語とは

禅語とは、禅の教えを伝える言葉で、禅の教えをわかりやすく短い語句にしたものです。

禅語を調べているときに「これって禅語だったのか」と知った言葉を3つ書きたいと思います。

この3つの言葉は以前から使っているお気に入りです。

日日是好日(にちにちこれこうじつ)

毎日が良い日となるよう頑張るべきだ、とか。そもそも良い日とか悪い日とか考えること自体が間違いよ、だとか。いろいろと解釈がある言葉ですが、個人的には「もう最悪だ!」という日でも、心の持ちようで最高にナイスな日となる。みたいな感じで使っています。

一行三昧(いちぎょうざんまい)

 仕事をするときは仕事だけ。遊ぶときは遊ぶだけ。まじり気のない心で一点集中。全身全霊をもってことにあたる。マルチタスクはするな。みたいな言葉だと思います。あれもこれもで忙しく、集中できないときに「一行三昧っ!」なんて呪文のように使っています(笑)

知足(ちそく)

 いま目の前にあるもので満足しよう。そして、目の前にあるものに感謝しよう。という禅語。個人的には、物を買うときに「それは必要じゃなくて、欲しいじゃないのか? 知足知足知足ーっ!!」なんて使ってます(笑)。龍安寺のつくばいの「吾唯足知」や、老子の「足るを知る」と似たような感じの言葉だと思ってます。

本書で紹介されている禅語

本書で紹介されていた禅語の中で、個人的に気に入った禅語3つを紹介します。

木鶏鳴子夜(もっけいしやになく)

越冬しようとするウッドストックにスヌーピーがこう言います。

みんながそうするからって、きみがしなきゃならないってことはないんだ…

JUST BECAUSE EVERYONE ELSE IS DOING IT, DOESN’T MEAN YOU HAVE TO..

48ページから49ページ

この言葉を、禅の言葉に当てはめたのが「木鶏鳴子夜(もっけいしやになく)」です。

「木鶏鳴子夜(もっけいしやになく)」とは、「木彫りの鶏が子の刻に鳴き、わら細工の犬が夜明けとともに吠え出した」という意味だそう。

一般的に、鶏が鳴くのは夜明けで、犬の遠吠えは深夜と思われています。なので、「木鶏鳴子夜(もっけいしやになく)」とは「別に誰がいつ鳴いても吠えてもいいじゃん!」のような、何物にもとらわれない自由自在の言動を指す言葉です。

でも、人は常識にとらわれてしまいがち。

これは、人が変化を嫌い、続いていることを受け入れて良しとする「所与性(しょよせい)」のしわざだったり。周りの人たちとの、同じ考えや行動に強制されてしまう「同調圧力(どうちょうあつりょく)」のためだったりします。

常識にとらわれそうなとき、人の顔色をうかがってしまったときは、スヌーピーが言ったこの言葉を思い出しましょう。

みんながそうするからって、きみがしなきゃならないってことはないんだ…

JUST BECAUSE EVERYONE ELSE IS DOING IT, DOESN’T MEAN YOU HAVE TO..

この言葉を思い出し、人と違うことを恐れないように行動したいですね。

動中静(どうちゅうのじょう)

ゴルフ中に素晴らしいパットをを決めたスヌーピー。「どうすれば、そんなパットができるのか」と聞かれ、スヌーピーが言った言葉がこれ。

ダイヤモンドの神経さ!

NERVES OF GRAPHITE

82ページから83ページ

スヌーピーのようなダイヤモンドの神経があれば「動中静」は必要ありませんが、静かでありたいと思っても周囲に影響されて心の中は簡単にざわざわしてしまうもの。

そんなときのための禅語が「動中静」です。

「動中静」は、あわただしくても周囲の価値観に惑わされず「静かに、そして安寧に」を心がけようという教えです。

しかし、静かでありたいと願っていても周囲に影響されて心は簡単にざわついてしまうもの。

そんなときには、ダイヤモンドの神経さ!……ではなく、ゆっくりと呼吸をしてみるのがいいかもしれません。

禅には周囲に影響されない方法として坐禅があります。心がざわめいたときは、坐禅をして、ゆっくりと呼吸をしてみましょう。

千里同風(せんりどうふう)

スヌーピーのお兄さんのスパイクは、砂漠で一人暮らし。

土砂降りの雨の中、話し相手にしているサボテンに言った言葉がこれです。

きみのところも雨降ってるかい?

IS IT RAINING WHERE YOU ARE?

72ページから73ページ

自分もサボテンも雨に濡れていて、雨でぬれているのは自分だけではないことに気づきます。

この気づきは「千里同風」と同じこと。

「千里同風」とは、遠いどこかでも今の自分が感じているのと同じ風が吹いているという意味。ちなみに「千里」は「あらゆるところ」を指します。

あらゆるところに、自分と同じような境遇で悩んでいる人はいます。ですが、悩みが続いてしまうと、心が折れて孤独感を感じるかもしれません。

そんなときは、スパイクが言った言葉を思い出しましょう。

きみのところも雨降ってるかい?

IS IT RAINING WHERE YOU ARE?

雨に濡れているのは自分だけではありませんし、悩んでいるのも自分だけではありません。

「どこかで誰かも悩んでいるけど、きっと頑張っているはず」と思えば、孤独ではありませんし、もうちょっとは頑張れると思います。

感想

スヌーピーの漫画を使って、禅の言葉に当てはめていくような感じの内容です。

漫画を読んで、「禅の言葉で言うところのこんな感じよね」みたいな。

禅の言葉の解説は、よそ様でも読めますが、スヌーピーの漫画を読んで禅の言葉を学べる本はないのではないでしょうか。

本格的な禅の言葉を学びたければ、禅の言葉が書いてある専門書のほうが良いと思います。

ですが、禅語を軽めにだったり、自己啓発の復習だとか、ビジネス書の息抜きに読むのであれば最適な本だと思いますので、ぜひ読んでいただきたいです。