【感想】いま、台湾で隠居してます

実用書

大原扁理さんの「いま、台湾で隠居してます『ゆるゆるマイノリティライフ』」を読みました。

本書は、著者が台湾で約3年間隠居いんきょした体験をまとめたものです。

いんきょ・・・・ってなんぞや? は、大原扁理さんを検索してもらうとして、

本書でおもしろかったのは、九份きゅうふん鼎泰豊ディンタイフォンの小籠包が出てこないところ。

台湾観光ではなく、台湾で暮らす、ということを感じられるところでした。

あと、著者オススメの台湾みやげのところも参考になりましたので書いております。

華やかな九份のことなどはこれっぽっち・・・・・・も書かれていない、「いま、台湾で隠居してます」を読んだ感想を書きたいと思います。

台湾への移住は割とハードルが低いのかもしれない……と思わせるすごさ

大原扁理さんが、どのように台湾へ移住されたのか。の過程の話がまずおもしろいです。

移住前に日本でやったことや、ビザや保険こと。台湾で住むところをどのように確保したのか。というお話は、観光だと必要ないことなので読んでいて楽しい。

基本、台湾は観光地だと思っています。というか、台湾はゴリゴリの観光地ですよね。非日常をまとい夢を見る場所ですよね。

がしかし、台湾で隠居が目的。海外に夢を見すぎない。現実的な日常を送ることを第一に考える。というズレた心構えがもうすでにおもしろいです。

にもかかわらず、ベースの考え方はちゃんとしてらっしゃいます。失礼な言い方ですけど。

というのも、一時帰国したときのことを考えられています。お金があれば、日本の住まいを引き払わない手もあるし、ホテルに宿泊する手もあるとか。

でも、隠居の身のわたしは贅沢できません。なんですって。

移住前に作っておいた、貴重な友人関係にものを言わし、一時帰国の際は、ありがたく友人宅に宿泊させていただくそうです。

また、いつでもどこでも生きていけるような心構えも必要だとか。どんなときでも生活ができるように、全世界でつぶしがきく資格を持ったり、労働経験をしておくと良い。なんてことも考えられています。

具体的には、マッサージや整体。マッサージや整体は、言語や相手を選ばず、道具も必要なく、世界中どこでもできる仕事と紹介されていて、この人はズレているのか、ちゃんとしているのか、どっちだ。というクイズが割と頻繁に出題されます。笑

とはいえ、書かれていることを読んでいるだけなので、本当は苦労されたことも多々あったと思います。台湾への移住は本当はハードルが高いのかもしれませんが、「こんな感じで良いんだ」という、安心感に乗せたおもしろさとすごさが本書にはありました。

台湾隠居生活、1か月の生活費

132ページから著者の1か月の生活費が紹介されています。

ある1か月の生活費は、なんと4万158円。しかも家賃込み。どうです奥さん、安いと思いませんか。笑

家賃が1万5,480円。水道が360円。電気が1,538円。通信費が598円。あと、これら固定費を除いた生活費が2万2,184円。合計で4万158円だったそうです。というか、すべて足すと4万158円ではなく4万160円になるんですけど、為替レートや端数調整などなどだと思いますので、お気になさらず。

著者は淡水たんすいという台北の左上の方角(地図を見ると)で暮らしていたそうです。台北市内だともっと家賃も高いのでしょうが、家賃が1万5,480円は安いですね。しかも家賃の中には、無制限のWi-Fiが含まれているそうです。

こういった、リアルな価格がでてくるのは移住の予定がなくてもおもしろいです。台湾のアパートは、家賃に大体Wi-Fiの料金が含まれているなんて知りませんでしたしね。参考になりました。台湾への移住の予定はありませんけど。笑

すてきな言葉

本書で出会った、すてきな言葉も覚えておきたいので書き留めておきます。

台湾ってたしかに、決まり事について、セーフとアウトの境目がずいぶんぼんやりしてる気がする。

「相手も許すから、自分も許してね」って感じかな。

たぶん、この逆で、自分に厳しすぎて自分が許せないと、他人のことも許せなくて自粛警察みたいなことが流行するんじゃないだろうか。

152ページから

人それぞれオッケー範囲が違うにもかかわらず、「自分はキチンとやったから、相手もキチンとしてくれよ」と思っちゃう、自粛警察が走り回ることがたびたび・・・・あります。個人的に。

この自分ありきな考えが抜けない。切羽詰まっていると、この「キチンとしてくれよ」の考え方がどかどか・・・・出てきちゃいます。

そんなときの戒めに、「セーフとアウトの境目はちょっとぼんやりしてもいいのよ」という考え方と、「相手も許すから、自分も許してね」という言葉は覚えておきたいと思いました。

この先10年台湾に暮らしたとして、きっとそのころには、あの潤餅ルンピンの屋台はなくなっていると思う。

でも士林夜市はたぶん存在してて、同じ路地を歩くときには、あの潤餅と、それを美しい動作で作っていた老夫婦がいたことを思い出すんだろうな。そういう予感がする。

いい予感を、日常にひとつずつ増やしていきたい。

183ページから

年を取ると記憶力が……というよりも思い出すのが面倒で、「ああ、ここでこんなことがあったな」という行為が少なくなってきた気がします。「いい予感を、日常にひとつずつ増やしていきたい。」という言葉を見て、そんなことを思いました。

いい予感を増やせば楽しく生きていけそうですよね。それを思い出したときに楽しい気持ちになれるようなことに多く出会うこと。その素敵な出会いを思い出す行為を続けたいですね。いい予感盛りだくさんの楽しい時間を多くするために。

ちなみに潤餅とルンピンは、クレープ生地に野菜やお肉を巻いたもの。生春巻きと春巻きの中間地点のような料理みたいです。コストコで売っているハイローラーみたいなものかと勝手に想像していますが。って、違うのかな。ルンピン食べてみたいです。

台湾ならではのオススメおみやげ

パイナップルケーキ

絶対に喜んでもらえるパイナップルケーキの渡し方。

パイナップルケーキ専門店のいちばん高いパイナップルケーキと、スーパーで買える一番安いパイナップルケーキをセットにして渡す。

これは良い渡し方だと思います。しかも、どんなものにも使える方法ですよね。覚えておきたい。

インスタントラーメン

「ウエイダン」というブランドの「スイユエン」シリーズの袋めんがおすすめだとか。5食入りで270円ぐらいだそうです。

ポイントは粉末スープだけを使うこと。調味オイルは使わない。なぜなら、脂っこくなりすぎるからだそうです。おみやげを渡すときに「調味オイルは使わないで」と一言添えると良いかもしれませんね。

また、カップラーメンも豊富でおすすめだとか。

個人的に韓国の辛ラーメンが苦手なんですが、台湾のラーメンはどうなんでしょうか。興味はあります。

ただ、日本のインスタントラーメンのクオリティは高いと思っていますので、どこのお国のインスタントラーメンを食べても「やっぱ日本のインスタントラーメンだな」ってことになりそうな予感がします。

素肉スウロウの缶詰

スウロウの缶詰は、味付き大豆肉の缶詰のことだそう。

日本では見かけませんね。めずらしいので、おみやげに喜ばれそうです。

1缶、108円くらいだそう。

大豆肉=ダイズミートだと思うのですが、違うのかな。

ダイズミートは好きです。素肉の缶詰は、どんな味付けがされているのか興味がありますし、ダイズミートが缶詰になったらどんな食感なのかも知りたい。

カレールウ

植物油を使い、普通のカレールウよりもさらっとしているそうです。

1箱3人分で126円くらいから買えるそうです。

カレールウは欲しい。普通のカレールウよりさらっとしているとか、どんな味かを確かめたい。

ただ、1箱3人分126円はちょっと高い。バーモントカレー12皿分だったかで178円で売ってますよ。近所のマックスバリュやバローで。笑

沙茶醤シャーチャージャン

台湾の家庭にある万能調味料だそう。

チャーハンに麺類にサラダにも、なんでも使える。これを入れると独特の香辛料の風味が出るそうです。

小瓶に入ったものだと、180円くらいから買えるそうです。

個人的に調味料も興味があります。

ただ、八角(スターアニス)が入っていたらアウト。八角は苦手です。台湾のコンビニに入った瞬間に香る、台湾煮卵のにおいが苦手です。

こんにゃく玄米ロール

台湾版のうまい棒のようなものだそう。

たまご味やのり味などがあり、たまご味がオススメとのこと。

1パック140円ほどで買えるそうです。

うまい棒、苦手です。個人的に。わたしの好みなんて、どうでもいいですね。笑

さいごに

大原扁理さんは、行き当たりばったりのようで、そうではないので、第1章は台湾へ移住を考えている人の参考になるかもしれません。

というよりも、台湾への移住の心構えとして読むと背中を押してもらえると思います。

第1章には、台湾に移住する前にやっておきたいことをはじめ、30歳以下ならワーキング・ホリデー良いし、保険はクレジットカードの付帯保険で良いといった、具体的なことが書かれていますから、台湾への移住に興味がある方は一読をおすすめの本書です。

また、現地目線がおもしろくて「台湾で暮らすのはこんな感じなんだ」と、具体的に感じることができると思います。

個人的に、著者おすすめの台湾みやげは参考になりました。

観光で台湾を訪れたときでも、パイナップルケーキの技は使えそうです。

ですが著者いわく、台湾のみやげも良いけれれど、台湾の一番の名物は台湾人だそうです。

さすがに台湾の人は売り物じゃないし、おみやげにするわけにもいかないので、台湾に旅行へ行ったら地元の人と仲良くなって帰ってくださいとのこと。

本書を読んで、台湾に行きたくなってきました。

台湾へ行く予定がある方、写真いっぱいの観光ブックも良いけれど、大原扁理さんの「いま、台湾で隠居してます」もオススメです。