朝井リョウさんの「正欲」を読みました。
自分のパーソナルスペースに入ってくる人のことは身の安全のために知っておきたい。
というのはわかりますけど、自分のパーソナルスペースに「水で興奮する人」が入って来ても、別に害はないから「水にしか興奮しねぇ!」とか胸を張って言ってくれたら「逆にすがすがしいかも」なんて思いながら読んでいました。
大変なのは、自分が好きになった人が水にしか興奮しない場合でしょうね。
答えが見つかりません。「すっごい考えて頑張ってね」としか言えません。
今回は「正欲」朝井リョウ 著の登場人物とあらすじ、映画、文庫と本屋大賞のことを書きました。
よろしかったら、お付き合いください。
登場人物
寺井 啓喜(てらい ひろき) 稲垣 五郎
検事。
「○○の顔面の肉が重力に負けていった」が口癖。(個人的にこの表現が大好きです)
妻は由美(ゆみ)。息子は泰希(たいき)。
由美は、元看護士。息子の泰希は不登校。泰希はYouTubeで生計を立てようとしている。
桐生 夏月(きりゅう なつき) 新垣 結衣
水命。
イオンモールの寝具売り場に勤務している。
佐々木 佳道(ささき よしみち) 磯村 勇斗
水LOVEな30歳。髙良食品会社勤務。
諸橋 大也(もろはし だいや) 佐藤 寛太
水ジュテーム。21歳。金沢八景大学の3年生。別名SATORU FUJIWARA。
ダンスサークル「スペード」に所属している。
ミスターコンテストで入賞するくらいのイケメンで長身。
矢田部 陽平(やたべ ようへい)
いろいろと好きなものが多い諸悪の根源。24歳。小学校の非常勤講師。
この男のせいで、佐々木佳道と諸橋大也が一発地獄行きのトバッチリを受ける。
神戸 八重子(かんべ やえこ) 東野 絢香
金沢八景大学に通っている。好きな言葉「ミスコン廃止」。
友達の久留米よし香とともに、金沢八景大学の学園祭のミス・ミスターコンテストを廃止にした。
お兄ちゃんは横浜国立大学に受かるほど頭がいいが、引きこもり。
西山 修(にしやま しゅう)
桐生夏月や佐々木佳道の同級生。
同級生の結婚式&同窓会の直前に、ビール飲んで酔いよいで川にダイブして鬼籍に入る。
小さい子供を残し、奥さんに負担を残し、同級生の結婚式にケチをつけて去っていったろくでなし。
奥さんは、亜依子(あいこ)。旧姓は広田。
あらすじ
佳道&夏月
水が好きな人同士が結婚します。
お互い、水が好きなので相手に興味はありません。二人の生活は、すこしでもほころびが出たら即終了の共同生活でした。
しばらくはいい感じで共同生活は続きますが、男性の方が人生一発終了のトラブルに巻き込まれます。
トラブルの中身は、児童ポルノで摘発されるというものでした。
ふつう児童ポルノで摘発されたら、100%の確率で女性の方からギャク三くだり半を突きつけられますが、女性はそんなことをしません。
それどころか、事件を担当した検事に、女性も男性も「『いなくならないから』と伝えて」という言葉を口にしました。
検事の頭の中は???
夫が世間的に最も嫌悪される容疑で捕まったのに、妻はどうして一緒にいたいと思えるのかわかりません。
普通なら「なんてことをやらかしたんだっ!」と、ののしられるシーンを土下座で耐えねばならないはずの夫が、妻に対して「いなくならないから」と言える理由が検事には全く理解できませんでした。
検事は、理解できない二人の絆と、奥さんに言われた、「どうせ説明しても、あなたにはわからない」という言葉に打ちのめされました。
大也&八重子
水ジュテームなイケメン大学生がいて、水ジュテームを密かにおっかけているミスコン廃止女子がいました。
ミスコン廃止女子はイケメンをゲイだと思っていますが、イケメンは水ジュテームです。
水ジュテームに「オスジュテームでもいいんだよ」と伝えたいというか、諭したいミスコン廃止女子ですが、二人の話がかみ合うはずがありません。
水ジュテームが楽しみにしていた「水を愛する者たちの密かな集い」の日、ミスコン廃止女子の「待った!」に、我慢の限界を超えた水ジュテームは沸騰で、ミスコン廃止女子と決闘。
「単行本332ページ『諸橋大也 2019年5月1日から、52日』」の水ジュテームとミスコン廃止女子の戦いは必見です。
って、あらすじになってないじゃん(笑)
ちゃんとしたあらすじは、単行本、文庫や映画でぜひ。
映画
今、2023年7月18日ですが、「映画 正欲」でわかっていることを書きます。
2023年11月10日(金)全国ロードショーとなっております。
監督 岸善幸さん、脚本 港岳彦さん。
監督の岸善幸さんは、有村架純さんと森田剛さんが共演した「前科者」を監督した方です。
脚本の港岳彦さんは、阿部寛さんと北村匠海さんが共演した「とんび」を脚本されています。
寺井啓喜役は、稲垣吾郎さん。
桐生夏月役は、新垣結衣さん。
佐々木佳道役は、磯村勇斗さん。
諸橋大也役は、佐藤寛太さん。
神戸八重子役は、東野絢香さん。
その他の出演者には、山田真帆さん。宇野祥平さん。渡辺大知さん。徳永えりさん、など。
文庫
2023年5月29日 新潮社から発売されました。
税込み 935円です。
単行本が2021年3月26日なので、「正欲」は2年とちょいで文庫化されています。
ちなみに単行本は、1,870円でした。
本屋大賞
「正欲」は、2022年本屋大賞4位です。
2022年の大賞は「同志少女よ、敵を撃て」でした。
ちなみに、2022年の本屋大賞は以下の通りです。
1位 同志少女よ、敵を撃て
2位 赤と青とエスキース
3位 スモールワールズ
4位 正欲
5位 六人の嘘つきな大学生
6位 夜が明ける
7位 残月記
8位 硝子の塔の殺人
9位 黒牢城
10位 星を掬う
2022年本屋大賞にノミネートされた10作品のうち、今回「正欲」を読んだことで5作品制覇となりました。
次は「六人の嘘つきな大学生」を読みたいのです。なかなか図書館で空きが出ませんけど。
さいごに
自分が興奮するものが周りとは違う、話してもわかってもらえない、話しても無駄、話すのが恥ずかしい、話すと変な目で見られる、などなど。
今まで考えたこともなかったので、ただただ「佳道や夏月や大也はきっついだろうなぁ」と「正欲」を読んでいて感じました。
同じもので興奮できる仲間で集まって「そうそう」なんてバカ騒ぎできることが簡単に手に入れられる幸せではないってこともわかりました。
おっさんになっても「そうそう」なんてバカなことで興奮して騒げる友人というか、同士が周りにいてくれることに感謝したいと思います。
あと、小説では桐生夏月の口から「M字開脚」という言葉が発射されるのですが、映画でガッキーの口から「『M字開脚』というワードが出るのだろうか?」と、今はバカなことで興奮しています(笑)
以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。