【あらすじ・ネタバレ】「5A73」詠坂雄二(著)

小説

詠坂雄二よみさかゆうじさんの「5A73」を読みました。

あらすじをネタバレで書きます。

そのほか、アメトーーク、幽霊文字や文庫本について書きますので、よろしかったらお付き合いください。

いまえださく
いまえださく

遅れましたが、お越しいただきありがとうございます。



アメトーーク 幽霊文字 文庫本について

アメトーーク

2023年4月20日に放送された「アメトーーク!」の「本屋で読書芸人」で、「5A73」が紹介されました。

「5A73」を紹介したのは、芸人で現役書店員の「カモシダせぶん」さんです。

カモシダせぶんさんは本と図書館が好きで、好きな小説家は「詠坂雄二」さんということでした。

カモシダせぶんさんは詠坂雄二さんが好きなので、「5A73」をしてくださったのだと思います。

幽霊文字

幽霊文字は、読み方も意味もわからない文字です。

音や意味が初めからなかったのが幽霊文字で、作る理由がなかった文字でした。

文庫本

「5A73」の単行本は、2022年7月20日に発売されています。

単行本の文庫化は、自社発行だと2年半ぐらい。他社での発行となると3年ほどが一般的です。

なので、「2024年以内はちょっと発売されないかな」というのが個人的な予想。2025年以内には文庫本が発売されると思います。

あらすじ・ネタバレ

前書

「前書」には、著者の弁明が書かれています。

弁明は本書のタイトルについて書かれており、当初のタイトルは「暃」だったそうです。

「暃」は担当編集者の心に刺さらず、苦肉の策で「暃」に割り当てられたJIS漢字コードの「5A73」をタイトルにしたと解説されていました。

ちなみに「暃」は「アシュラマン」と読みます。理由は「腕が六本ある人影に見えるから」と、刑事総務課長が作中で言っていました(笑)

「前書」で、作者が韮澤秀斗にらさわしゅうとなる人物に謝罪する文章があります。韮澤さんは最後に爆弾を落としますので乞うご期待。

一章

登場人物

● 山本やまもと


女性。警部。短髪で小柄。刑事部別室に所属している。
刑事部別室は、犯罪性の立証が難しい案件を担当している。

● 早川はやかわ


男性。警部補。眼鏡をかけていて背が高い。山本とコンビを組んでいる。

● 瀬名本 光太せなもとこうた


38歳。独身。自殺するまで運送業をしていた。

あらすじ

瀬名本光太が電車に飛び込み自殺しました。

山本&早川が監察医のところへ行き、瀬名本光太の遺体を確認します。

理由は、「暃」のタトゥーシールを確認するためです。

「暃」のタトゥーシールが確認された遺体は、瀬名本光太で4件目でした。

「暃」の漢字について

」は、「幽霊文字」と呼ばれています。
「幽霊文字」は読み方が不明です。

「暃」は、読み方が不明ですが、「」と読むのが一般的なようです。
実際に「ひ」とキーボード入力したら出てきました。

「暃」には、意味も存在しませんし、使用された例もありません。
JIS規格に登録されているだけです。

どうしてこうなったのかには諸説あるようですが、「あきらか)」や「」の漢字を書き損じ「暃」というデザインが生まれてJIS規格に登録された可能性が高いようです。

二章 湯村文

登場人物

● 湯村 文ゆむら ふみ


22歳の公務員。区役所勤め。アカウント名はπパイ
5月9日に自宅マンションの浴室で遺体で発見される。
死因は硫化水素の中毒死。
部屋で遺書が見つかり、浴室のドアには「硫化水素発生中」の張り紙があった。

● 尾倉 陸久おぐら りく


お持ちかえりしてはいけないものをお持ちかえりした、諸悪の根源。
韮澤秀斗に注意喚起されたにもかかわらず、アクセル全開バリバリで自殺へ突き進んだ大学生。中型免許は持っている。

あらすじ

湯村文は「自殺を手伝ってほしい」と尾倉陸久に言われて会うことにします。二人はSNSで知り合いました。

自殺を手伝うと罪になるので、尾倉陸久は「自殺するところを見ていてほしい」と湯村文に頼みます。尾倉陸久いわく、見ていてもらえれば、「なんだかいけそうな気がする~!」だそうです。

尾倉陸久が湯村文に頼んだ理由は「死にたくない人に依頼すると止められるから」でした。ちなみに湯村文も自殺志願者です。

二人は直接会ったあと、しばらくSNSや電話でやり取りしますが、10日後に「整いました~!」と尾倉陸久から連絡があり、いけそうな日が「春分の日」に決定しました。
3月20日の春分の日に決まった理由は、祝日の特別感とお彼岸が近いからでした。

いまえださく
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ちなみに、韮澤秀斗は「暃」を「彼岸」とイメージしています。

まじめな性格なんでしょうね。
湯村文は「当日にもたついてはいけない」という理由で、前日の3月19日に尾倉陸久が自殺しようとしているマンションをロケハンすることにしました。尾倉陸久からは「自宅のマンションの非常階段で自殺する予定」だと聞いていました。

19日にロケハンした湯村文は、3階の非常階段に蛍光灯がないことに気がつきます。「出来るだけ気づかれずに自殺するために尾倉陸久が蛍光灯を外したのかもしれない」と考えた湯村文は、わざわざ蛍光灯の代わりになるLED電球を買ってきて近くにあった空っぽのソケットに電球をつけました。
電球をつけた理由は、尾倉陸久に死んでほしくない、と思い始めていたからです。

当日、湯村文が尾倉陸久のマンションに近づくと、昨日、取り付けたLED電球は他の階よりも明るく光っていました。湯村文がマンションのエレベータに乗ろうとしたときに大きなヘッドフォンをつけた男性とニアミスしました。この男性は韮澤秀斗です。

湯村文は尾倉陸久の部屋を訪ねます。
室内に入り無人を確認して、部屋を出ようと玄関で靴を履いたところで「暃」が印刷されているタトゥシールを見つけ、タトゥシールを持ち帰ります。その後、湯村文は3階と4階のあいだで首を吊った尾倉陸久を見つけます。

死んでいる尾倉陸久の左手の甲には、「暃」の文字がありました。

湯村文は考えました。「死ぬところを見ていてほしい」と言っていた尾倉陸久が死んでいた理由は何か。尾倉陸久が初めから自分が死ぬところを見せるつもりがなかった理由は何なのか。考えられるのは、自分が死んだところを見せることでした。

尾倉陸久は自分自身の死体を見せて「私から死を遠ざけようとしたのではないか」と湯村文はロマンチックに考えました。

いまえださく
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湯村文さんは「私から死を遠ざけ……」なんてロマンチックに考えていますが、なんのなんの。

オチを読むと、湯村文さんのロマンチックなんてぶっ飛びます。

私もここでは「あぁ、そうなんだ。尾倉陸久くん優しいね」なんて思っていたのですが、オチでやられました。

三章

登場人物

● 根古谷ねこや


ポスドク研究員。スポーツ刈りで野暮ったい眼鏡をかけている。
ジャージが似合う30代前半。

ポスドクについて

ポスドクとは、博士号を取ったあと大学で正規のポストに就かず、研究を続ける期限付きの研究者のことです。
雇用期間は平均1年で、平均年収は300万~400万円といわれています。

あらすじ

総務課長の「暃」は「アシュラマン」と読む説を裏付けるためではなく、刑事の山本&早川は、幽霊文字のことを聞くために根古谷に会いに行きます。

根古谷は、仮に一連の自殺に犯人がいたとして、犯人が「暃」の字を使う理由は、「幽霊文字である『暃』の字をよみがえらせたいのかもしれない」と二人に話しました。

また、使われなくなった文字は「死字しじ」と呼ばれて死んだことになるので、「犯人の目的は幽霊を蘇らせたいのではないか」と、山本&早川は聞かされます。

「『暃』の読み方で『アシュラマン』という読みはどうですか?」という山本の問いに、根古谷は「独創的です。そして、笑い飛ばせない。検討に値する」と言いました。良かったね、総務課長。

その後、山本&早川は「何かわかったら連絡よろしく~」と言って根古谷と別れます。そこへ「また自殺者が出た」とアシュラマン総務課長から連絡が入ります。

四章 黒下園子

登場人物

● 黒下 園子くろした そのこ


訪問販売員をしている。
6月15日の夜、自宅の浴室で感電死。
脱衣所に遺書があった。
不妊治療をしていた過去を持ち、治療の記録をブログにしていた。

あらすじ

黒下園子は湯村文から、尾倉陸久が自殺したときのことを聞きます。
二人のつながりは、湯村文が黒下園子のブログに感想を送ったことでした。その後、湯村文が「会えないか」と黒下園子に連絡をしたので会うことになります。

湯村文は、黒下園子のファンだと言い、いろいろなことを話します。話の流れで「ヘッドフォンをつけたストーカーにつけられているような気がする」と湯村文は話しました。
また、湯村文から「暃」の文字について聞いた黒下園子は「暃」の文字がとても気になり始めます。

数日後、黒下園子は水族館で湯村文と会います。そのときに湯村文が「手紙を預かってほしい。わたしに何かあったら手紙を見てほしい」と黒下園子に頼みました。

一週間くらいあとに湯村文から手紙が送られてきます。
手紙を受け取った数日後に湯村文が死んだことを黒下園子は知ります。湯村文の詳しい死因はわかりませんでしたが、黒下園子が手紙を受け取った日に湯村文は死んでいました。

黒下園子が手紙を開けると、中には「暃」の文字のシールのようなものが入っていました。

五章

登場人物

● 真室 琢海まむろ たくみ


26歳。短髪丸顔にあごひげ。中型免許を所持している。

● 黒下 和紀くろした かずのり


黒下園子の夫。「暃」を見て性器とイメージした剛腕。

あらすじ

自殺があったホテルに山本&早川が向かいます。ホテルで死んでいたのは真室琢海という男性でした。

真室琢海は今までの自殺者とは違いました。
タトゥシールを体に張って死んでおらず、ほっぺたにサインペンで「暃」の文字を書いて自殺していました。山本&早川は「急いで死ななくてはいけない」何らかの状況が起こったと考えます。

また、真室琢海は死ぬ前にヘッドフォンをした若い男性とホテルの食堂にいたことがわかりました。接点があったかどうかまではわかりませんでした。

ホテルを後にし、山本&早川は黒下和紀に会いに行きます。
そこで、黒下園子と湯村文に接点があったことを知ります。その後、いろいろと二人で意見を出し合いますが、これ・・といった発見はありませんでした。

「これ以上は進展しないか」と山本&早川が諦めかけたころ、ふと見た資料で黒下園子と瀬名本光太の年齢が近いことを発見します。「ひょっとして知り合いじゃね?」とダメもとで問い合わせてみると、二人は同じ大学に通っていたことがわかりました。

六章 瀬名本光太

登場人物

● 瀬名本 光太せなもと こうた


配送業をしている。
大学生のころは映像作家を目指し映画サークルに所属していた。
学生時代、黒下園子にいろいろと相談に乗ってもらい世話になっていた。

あらすじ

瀬名本光太は、黒下園子と母校の学食で会います。黒下園子と会うのは17年ぶりでした。

黒下園子が瀬名本光太と連絡を取った理由は、「瀬名本光太が知り合いの中でいちばんの物知りだと思ったから」でした。

ということで、物知り博士の瀬名本光太は「暃」の文字が入ったタトゥシールを見せられます。「暃」の文字を瀬名本光太に見せたあと、黒下園子は「『暃』を知らない人の意見が聞きたい」と言いました。

黒下園子から「暃」は幽霊文字と呼ばれていると聞いた瀬名本光太は、幽霊草と呼ばれている花があると話します。正式には「銀竜草ぎんりゅうそう」といい、銀竜草は花も茎もぜんぶ真っ白な植物だと説明しました。

いまえださく
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銀竜草

白くてかわいいです。検索してみてください。

その後、瀬名本光太は小学校の夏休みの日記に「『幽霊を見た』と書いた記憶がある」と話します。昔のことで記憶があいまいな瀬名本光太から話を聞きながら、黒下園子が謎解きをしていきます。

謎解きの結果、瀬名本光太少年は幽霊を見たのではなく、傷痍軍人しょういぐんじんのパフォーマンスをする物乞いを見たことがわかりました。

謎解きが終わったころ、「懐かしい顔がいる」と筑摩先生が二人に声をかけてきました。
筑摩先生は二人が在学中のときに先制をしていた人でした。黒下園子は筑摩先生と話しながら別のところを見ていました。黒下園子の視線の先にはヘッドフォンをしている20歳くらいの人物がいました。

黒下園子は、「今日はありがとう」と言って、ヘッドフォンの若い男とは違う方向へ去っていきます。机には「暃」の文字のタトゥーシールが残されていました。

瀬名本光太は「暃」の文字のタトゥーシールを持って帰り、「暃」の文字を題材にした映像作品を作成しようと考えます。

七章

登場人物

● 與木よぎ


ヤングな警部。剣道で国体に二年連続で出場したことがある。

あらすじ

湯村文、黒下園子、瀬名本光太のつながりがわかり、捜査本部が設置されて専従班の選出が行われると、山本&早川は捜査から外されました。

やることがない山本&早川は新たな手掛かりを見つけるべく、都内で発見された身元不明の遺体リストを調べて事件性がないかどうかの作業をしていました。作業をしていると、アシュラマン総務課長から連絡があり、「『二人に特命を与える!』と刑事部長が呼んでいるからすぐ来い」と言われました。

山本&早川が総務課長に連れられて刑事部長に会いに行くと「ひとつ頼むよ」とだけ言われ、あとは警部の與木から話を聞くことになります。與木は、タトゥシール事件の捜査本部は解散になったと言いました。国家公安委員会から圧力があったようです。

與木の話から韮澤秀斗が事件にかかわっている可能性があるとのことで山本&早川が韮澤秀斗に会いに行くと、韮澤秀斗は山本&早川を待ちかまえていました。

二人は韮澤秀斗から一連の自殺の答え合わせのような「死を導く教え」の講義を受講することになりました。

八章 真室琢海

登場人物

● 真室 琢海まむろ たくみ


ネットで公開される動画を制作している。瀬名本光太の知り合い。

あらすじ

真室琢海は瀬名本光太と会います。会うのは3年ぶりくらいでした。

真室琢海が瀬名本光太と会った理由は、瀬名本光太が書いた企画書が面白かったからです。企画書の内容は実録のホラー動画で、今起こっている「連鎖する自殺」の真偽を確かめる過程を動画にする、という内容でした。

その他に真室琢海が企画書の内容で面白いと思ったところは「幽霊文字」でした。真室琢海は幽霊文字のことを、ここで知ります。

一週間ほどたった夜、瀬名本光太から電話が着ました。「お前は大丈夫か?」と。

話を聞いてみると、瀬名本光太は誰かに尾行されているようでした。電話ごしにでもわかるほど瀬名本光太は怯えているようでした。真室琢海にも瀬名本光太の恐怖が伝わります。

瀬名本光太は会話の中で「『暃』の字よりも、『シール』の意味を考えろ」と言い電話を切ります。電話を切ったあと、真室琢海は「シール」に何かが封印されていたのではないか、と考えました。

その後、真室琢海は何かに憑りつかれたように「タトゥシール」のことを考え始めました。

九章

登場人物

● 韮澤 秀斗

● 山本&早川

あらすじ

山本&早川がパトカーの中で、韮澤秀斗から「連鎖する自殺」の話を聞きます。
韮澤秀斗は「僕は人よりも面倒ごとを見つけてしまう人間で、尾倉陸久が始めたことを追っていた」と話しました。

韮澤秀斗が話した内容は、自分が尾倉陸久の自殺の第一発見者でありながら通報しなかったことや、湯村文が自殺したことで見えないたくらみが進んでいるんじゃないか、と考えたこと。

湯村文を追っていて黒下園子に目をつけたことや、黒下園子が瀬名本光太とつながっていたと知ったこと。黒下園子がタトゥシールを瀬名本光太に渡していたこと。

自殺者はタトゥシールをバトンにして受け継いでいるのではないか、と考えたこと。「暃」は「彼岸」と読むのではないか、と、真室琢海に伝えたこと、などなどを二人に話しました。

韮澤秀斗いわく、幽霊文字を見て「彼岸」と読んでしまうような人は死へ傾いている。
死へ傾いている人を選ぶために「暃」の字は存在していたのではないか。

ただし、実際のところ、幽霊文字を「彼岸」と読んでも死なない人はたくさんいたかもしれない。
尾倉陸久が始めた自殺を繋いでいくパターンがたまたま巧くいき、五人も自殺者が出たのは奇跡に近い確率で、他でも似たような企みは行われているのかもしれない。

そんな仮説というか、妄想を韮澤秀斗は山本&早川に話しました。

山本&早川は、「韮澤秀斗の話をそのまま與木警部に話してもいいんじゃね?」という結論になりました。

十章 尾倉陸久

登場人物

● 尾倉 陸久

● 韮澤 秀斗

あらすじ

尾倉陸久は、応援していたグループのライブのパフォーマンスを楽しんだあと、打ち上げではしゃぎすぎてしまい終電を逃してしまいます。

普段ならネカフェで時間をつぶしたり電車の始発を待ちますが、何やらこの日はモヤモヤしていて尾倉陸久は線路沿いを歩き始めました。家までは70キロあるので一般人には自殺行為です。

尾倉陸久が、しばらく歩いていると奇妙な場所に迷い込みます。
奇妙な場所には石碑がありました。石碑には何かが彫ってありましたが、それが絵なのか文字なのかもわからなかった尾倉陸久は、デジカメで石碑の凹凸でこぼこを撮影しまくりました。

後日、「そんなことがあったんだよね」とバイト先の親睦会で話していると、韮澤秀斗が石碑に興味を持ち、石碑があった場所を聞いてきました。
「遠海市のどこか」という、ざっくりとした場所を聞いた韮澤秀斗は、礼を言ったあとに「嫌な予感がするから、その写真は消した方がいいよ」と尾倉陸久にアドバイスしました。

がしかし、韮澤秀斗の言葉が逆効果になってしまい、尾倉陸久は凸凹を撮影した写真に興味を持ち始めます。
凸凹写真にゾッコンLOVEな尾倉陸久は、石碑の凸凹が何なのかを調べるために光学文字認識ソフトまで持ち出し、どこの馬の骨かもわからなかった凸凹から、根性で「暃」の文字にたどり着きます。

たどり着いた先が地獄へのスタートラインだと知らない尾倉陸久は、やめときゃいいのに地獄行き駅伝のタスキになる「暃」の文字のタトゥシールを作りました。

いまえださく
いまえださく

極論、尾倉陸久が、わざわざ遠いところまで推してるアイドルのパフォーマンスを見に行かなければ5人も死ぬことはなかったのよね、なんて考えている推したことがないオッサンです。

始末

登場人物

● 韮澤 秀斗

● 詠坂 雄二

あらすじ

「五人の死に責任があるのは誰か?」ということで、韮澤秀斗の本当の・・・謎解きが始まります。

韮澤秀斗と詠坂雄二は尾倉陸久が歩いた道を逆にたどることにします。しばらく歩いていると、尾倉陸久が発見した石碑を見つけました。

石碑を見た韮澤秀斗は「ありあり」と見えると言いました。詠坂雄二には、それが見えません。

韮澤秀斗いわく、「石碑には菫色すみれいろの穴が見える。円は直径1メートル半くらいで、下四分の一ほどが地面にめり込んでいる」ということ、です。

で、結局「五人の死に責任があるのは誰か?」なんですけど、幽霊です。
幽霊が尾倉陸久に憑りつき、自殺者駅伝大会で幽霊入りのタスキが5人まで渡ったというのがオチです。
ちなみに幽霊は退治されずに野放しです。警察の証拠保管庫で待機中です。

「『暃』を幽霊文字と知らないうちに、タトゥシールを見なければいけない」これが幽霊に憑りつかれる条件。

幽霊文字をみて形に不思議を感じ、幽霊文字の正体を熱心に考えて、幽霊文字にとらわれてしまうこと。文字通り、幽霊に憑りつかれた状態になる。

以上が、韮澤秀斗と詠坂雄二が出した、自殺者駅伝の結論でした。

いまえださく
いまえださく

オチが幽霊か……って最初は思いましたけど、オチがないよりは良いと思います。

勝手に想像してくれ、お前に任せる的なやつは苦手なので(笑)

いまえださく
いまえださく

以上です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。