「任侠梵鐘」の読み方、任侠シリーズや文庫本のことを書きました。
また「任侠梵鐘」の登場人物とあらすじをネタバレで書き、最後にちょっとした感想を書きましたので、お時間ございましたらお付き合いください。
読み方・任侠シリーズ・文庫本

読み方
「任侠梵鐘」の読み方は、にんきょうぼんしょうです。
ちなみに、梵鐘はお寺の釣鐘(つりがね)のことです。
「任侠梵鐘」の作中でもお寺の梵鐘がキーアイテムとして登場しました。
任侠シリーズ
「任侠○○」という任侠シリーズがあり、2025年5月14日時点での最新任侠シリーズが「任侠梵鐘」です。
ちなみに「任侠梵鐘」は第七弾で、他の任侠シリーズには以下のような任侠○○があります。
第一弾 任侠書房
第二弾 任侠学園
第三弾 任侠病院
第四弾 任侠浴場
第五弾 任侠シネマ
第六弾 任侠楽団
第二弾の「任侠学園」は映画化されていて、主演は西田敏行さんと西島秀俊さんです。
西田敏行さんが阿岐本雄蔵を演じ、西島秀俊さんが日村誠司を演じています。

わたくし、今回の「任侠梵鐘」が任侠シリーズのデビュー作なのですけど「なんで今まで任侠シリーズを知らなかったんだ」と後悔するくらい「任侠梵鐘」がお口に合いました。
これを機会に任侠シリーズを読んでいきたいと思います。
文庫本
任侠シリーズ第五弾の「任侠シネマ」の単行本が2020年5月19日に発売されて、単行本は2023年4月21日に発売されています。
このことから文庫本の発売日は単行本の3年後くらいかな、と思ったのですけど、単行本が2022年6月21日に発売されている任侠シリーズ第六弾「任侠楽団」の文庫本が2025年5月14日の時点で発売されていないのがちょっと謎です。
とはいえ「任侠梵鐘」の文庫本の発売は2028年中ではないかと思います。
登場人物・あらすじ・ネタバレ

登場人物
阿岐本 雄蔵(あきもと ゆうぞう)
阿岐本組の組長。スキンヘッド。
すごい博識で「どんたく」がオランダ語の休日という意味の「ゾンダーク」が語源だなんてことを知っている。
日村 誠司(ひむら せいじ)
阿岐本組のナンバー2で心配性。
阿岐本雄蔵の行動や言動に振り回されっぱなし。
組長のことを尊敬しているが、章の最後に軽くディスる。
多嘉原 義一(たかはら ぎいち)
テキヤの元締め。電車大好き「電車で帰る」な人物。
今回の物語では、自らややこしい話を持ってきて、ややこしい話が盛り上がったクライマックスで「お前小僧じゃね?」の一言で、自らややこしい話を終了させました。
「任侠梵鐘」の世界は多嘉原義一を中心に回っていました。
田代 栄寛(たしろ えいかん)
西量寺のご住職。話を壮大にするクセがある。
結構イケイケな性格で、ヤクザがどうとか気にしない。
なので、阿岐本雄蔵と気が合うようです。
大木 和善(おおき かずよし)
駒吉神社の神主。田代栄寛とは同級生。
原磯 俊郎(はらいそ としろう)
不動産屋。商店街連合会の役員。
檀家と氏子のナンバーワンの座を狙っている。
谷津(やつ)
中目黒署の巡査部長。
ヤクザは怖くないが、チャイニーズマフィアは怖い。
あらすじ・ネタバレ
阿岐本雄蔵のところへ五厘下がりの兄弟分である永神健太郎(ながかみ けんたろう)が多嘉原義一を連れてきます。

五厘下がりの兄弟とは、兄弟盃の一種で五分五厘と四分五厘の関係にあたる兄弟のことです。
阿岐本雄蔵は、永神健太郎よりも五厘分兄貴という関係です。
なにそれ? 初めて聞いたわ。みたいな。
多嘉原義一は、暴対法や排除条例によって駒吉神社の祭りから締め出されたという話しを阿岐本雄蔵に聞かせました。
詳しい話を聞いてこい、ということで日村誠司が駒吉神社へ行き神主の大木和善から話を聞き、ついでに西量寺の田代栄寛からも話を聞いて事務所に戻ります。
日村誠司から詳しい話を聞いた阿岐本雄蔵は田代栄寛に会いたくなり、次の日に西量寺へ出向きました。
阿岐本雄蔵と田代栄寛は「『除夜の鐘がうるせーからやめろ』という住人がいて世も末だ」なんて言う話しで意気投合し、その後も何度か会って話をします。
「氏子や檀家の信仰心が無くなり寄進が少なくて今の時代は神社も寺もキツイのはわかるが、神社も寺も必要な施設だ」という阿岐本雄蔵の考えから、その後も大木和善や田代栄寛と接触する阿岐本組でしたが「ヤクザ」という理由でなんだかんだとトラブルになります。
阿岐本雄蔵と日村誠司が西量寺に出入りしているのを見ていた近隣住民が「ヤクザは来るな的」な感じでもめ事になりかけますが、阿岐本雄蔵の大きな器によって大事にはなりませんでした。
話しが進んでいくと、活動を維持していくのがキツくなって休眠している神社や寺を売る「宗教法人ブローカー」が駒吉神社に目をつけているということがわかり、原磯俊郎が宗教法人ブローカーと関りがあることがわかります。
調べが進むと、高森浩太(たかもり こうた)という人物が宗教法人ブローカーだとわかりますが、この人物は関西にある花丈組の直参(じきさん)であることがわかりました。

直参は組長から盃をもらっている人物で幹部のことです。
直参は自分の組を持っている、二次団体の組長です。
高森浩太が関西の大物だとわかり阿岐本組では「殺し合いが始まったら、うちみたいな一本独鈷の弱小一家はひとたまりもない」みたいな空気になりますが、話し合いの場で高森浩太を見た多嘉原義一が「お前、小僧じゃね?」と言い出しすべて解決。多嘉原義一と阿岐本雄蔵は高森浩太と知り合いでした。
花丈組の前組長の田家村が昔「小僧」と呼んで連れ歩いていたのが高森浩太で、多嘉原義一と阿岐本雄蔵は小僧と呼ばれていたころの高森浩太に会っていました。
しかも、阿岐本雄蔵は花丈組の組長であった田家村と兄弟盃を交わしていた仲でした。
高森浩太から話を聞き、高森浩太のバックにチャイニーズマフィアがいることを知った阿岐本雄蔵は、中目黒署の巡査部長の谷津を上手に使い、結果、チャイニーズマフィアを検挙させました。
というのが、大まかなあらすじです。
最後に

単行本の195ページに
寺の鐘を鳴らすのは先祖供養のためで、先祖の供養が日ごろの生活の何に役立っているかわからないけどやった方がいいと思う。
目に見えないそういったことをしないとご先祖様に申し訳ない、みんながそう思って暮らしている世の中の方が、そういったことを気にしない世の中よりも暮らしやすい気がする。
鐘なんか必要ないっていう世の中より、鐘をありがたいと思っている世の中の方が好き。
みたいな話が出てくるのですけど、こういった考えの方が幸せホルモンがいっぱい出て結局、幸せに暮らせるんだろうな、と思いました。
ただ、みんながお休みハッピーな元旦の朝から出勤予定で、近所のお寺さんで大みそかから元旦にかけて鐘をゴンゴンやりまくられたら、あけましてストレスホルモンで出勤することになり「やっぱ鐘いらねー」ってなると思います(笑)

以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。