厚切りジェイソンさんの家族は5人。
とある月の家族全員の生活費は約28万円だったそうです。
現在、この生活費28万円プラスアルファを投資の利益でまかなえるとのこと。
何もせずとも、ふところにお金が入るいわゆる不労所得。その先にあるFIRE。夢がありますね。
どのように厚切りジェイソンさんが家族全員の生活をまかなえるほどのお金を得たのか。
厚切りジェイソンさんがお金を増やした方法は、
生活費を節約して、コツコツと米国のインディックスファンドを買って、お金が増えていくのを待つ
これだけ。
本書を読んで参考になったところを紹介したいと思います。
支出を見直す
これから使うお金は本当にその価値があるのか?
日々の暮らしの中で、こう考えることが大切だと厚切りジェイソンさんは言っています。
ヘドニック・トレッドミル(Hedonic treadmill)
ヘドニック・トレッドミルは、快楽を求めて走り続けても幸せにはたどり着けないという意味の言葉です。(ちなみにトレッドミルとは、同じ景色をずっと見続ける屋内でランニングするやつのこと)
元来、稼げるお金と使えるお金は比例しないもの。
たくさん稼ぐことができると、ガンガンお金を使う人が多いけど、これをやるとお金がいくらあっても足りないし、資産も増えない。
稼ぎが増えて欲しいものをどんどん買って欲求を満足させても、そんな生活はすぐに当たり前になります。頑張ってはたらいても、ぜいたくな生活と、それが当たり前になる生活が繰り返されるだけ。
こうなると、本当に欲しいものを買っているのかもあやしい。自分の稼ぎに合った、いらないものを買っているだけかもしれません。必要がないものを買うために仕事を頑張るのはバカバカしいですよね。
稼いだお金で買うものが、対価に見合う価値があるかどうかを考えることが大事です
収入を増やすよりも支出を減らす方が効果大
10万円を年利10%で運用した場合、1年の利益は1万円。
家計調査によると一般家庭の通信費が毎月1万4829円。
毎月の通信費を5000円以内に見直すと1万円浮いてくるので、年利10%どころか、月利10%と同じ効果が得られます。
収入を増やすよりも支出を減らす方が簡単で効果大です
また、通信費などの固定費を減らすメリットとして、一度減らせばそのあと節約の効果がずっと続くことも見逃せません。
「福利」はすさまじい
たとえば、毎日のコーヒーに300円使っていると、1年でコーヒー代は10万円以上になります。
そのコーヒーに「10万円の価値はありますか?」「家でコーヒーを淹れてきたらどうですか?」と自問自答することが大事だと、厚切りジェイソンさんは言います。
もし浮いた10万円を金利5%で1年間預金したとすると、5000円の利子がつき、1年後には10万5000円になります。
この10万5000円を再度5%で1年間預金すると、1年後には11万円ではなく、11万250円になります。この250円は利子である5000円についた利子です。
利子に利子がつくことを「複利」といい
この「複利」と長期間お手てつないだ効果がすごいのです
ちなみに、元金10万円の利子は「単利」といいます。元金が10万円だからずっと5000円づつしか増えません。
「複利」の力はすさまじく、10万円を元手に30年間年利5%で運用を続けると「単利」だと25万円にしかりませんが、「複利」であれば43万2194円になります。その差、約1.7倍です。
そんなすさまじい破壊力を持つ「複利」のことを、アインシュタインは「人生最大の発明」と言っています。
米国インディックスファンドを買う
厚切りジェイソンさんの投資方法はシンプルです。
米国インディックスファンドを定期的にコツコツと買うだけ
インディックスファンドとは?
インディックスファンドには、「投資信託」と「ETF」があります。
どちらも、ファンドマネージャー(投資のプロ)が、個人の投資家から集めたお金をまとめて運用してくれる金融商品です。
「ETF」は取引所に上場していて、「投資信託」は上場していません。
「ETF」の有名なものに「VTI」や「VOO」があります。「投資信託」の有名なものには「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」や、本書でも買い方が解説されている「楽天VTI(楽天・全米株式インディックスファンド)などがあります。
この他にも「ETF」と「投資信託」には違いがあります。しかし、「VTI」や「楽天VTI」を買うのであれば、細かなところは気にしなくてもいいです。
細かなところは気にしなくていいけれど
気をつけたいのは「手数料」です
インディックスファンドを運用するときには手数料がかかります。
手数料には、販売手数料、信託報酬や売却手数料などがあります。
インディックスファンドは長期間持ちたい
少しの手数料の違いがあとあと大きな損になりますから、より安い手数料のインディックスファンドを選ぶのはとても大事なことです。
なぜ? インディックスファンド
投資の神様バフェットと優秀なファンドマネージャーが、10年後にどちらが利益を出せるかという賭けをした有名な話があります。
結果は、バフェット圧勝!
バフェットが賭けたインディックスファンドの利回りが年平均7.1%だったのに対して、優秀なファンドマネージャーが運用したヘッジファンドが2.2%でした。
このことを知って、厚切りジェイソンさんはインディックスファンド一択で間違いないと確信したそうです。
ちなみに、バフェットはアメリカの投資家です。世界最大の投資会社、バークシャー・ハサウェイの筆頭株主でCEOです。
ファンドマネージャーは投資信託(ファンド)を運用をする人です。
なぜ? 米国インディックスファンド
なぜ、アメリカ?
アメリカの企業は強いから
身の回りを見てください。
パソコンがWindowsだと中身はマイクロソフトやNVIDIAの製品が入っています。
MacBook ProやiPhoneはアップルの製品です。
そのパソコンやiPhoneを使ってGoogleで検索をして、Instagramを見ていませんか?
これらの商品はアメリカの企業のものばかり。そしてこれらの商品は、日本だけでなく全世界で成功している企業の商品です。
企業の価値や規模を評価するときに使われるものに時価総額があります。
この世の中の時価総額のトップがアップルで2位がマイクロソフト。4位にGoogleのアルファベットが入り、8位にNVIDIA、9位にInstagramのメタ・プラットフォームズがランクしています。
この他にも5位のアマゾン・ドット・コムやみんな大好きイーロンさんのテスラは6位。バフェットさんのバークシャー・ハサウェイが7位にランクインで、もうアメリカの企業だらけです(2022年4月ネットでわたし調べ)
これからも絶対にアメリカの企業が成長し続けるとは限りません。しかし、アメリカには、企業の成長を後押しする税制度、何度も起きた暴落からの復活やずっと右肩上がりなGDPなど、アメリカの成長や将来性を裏付ける要因はいくらでもあります。
アメリカの企業は強い!
だから、米国インディックスファンドを買う!
「楽天VTI」か「VTI」を買う
本書の132ページから147ページに、楽天証券で「楽天VTI」と「VTI」の買い方が具体的に解説されています。
証券口座を開設するところから説明されていますが、このあたりの説明はYouTubeや投資関係のホームページの方が細かくわかりやすく説明されていると思います。
買ったら売らない
投資にゴールはありません。
死ぬまで投資を続け、複利の力で資産を増やす。
資産が一番増えるのは、買ったら売らないことです。
だから、米国インディックスファンドを買ったら売らない
3か月分の生活費は現金で持っておく
しかし、未来に何が起こるかわからないのが人生。本当にお金に困って、投資の一部を切り崩す事態が起こるかもしれません。
ですが、いくら上がり続けるインディックスファンドを買っていても頻繁に切り崩していたら、手数料や税金がその都度かかってしまいリターンが十分に得られません。
お金に困って米国インディックスファンドを売らなくてもいいように、3か月分の生活費は現金で持っておくことが大切です。
金の卵を産むガチョウ
イソップ童話の金の卵を産むガチョウの話。
農夫があるとき、自分の飼っているガチョウが1日に1個だけ金の卵を産むことに気づく。
農夫は金の卵を売り、お金持ちになっていく。しかし、農夫は1日1個では足りないと感じて「ガチョウのおなかの中には金の卵が詰まってる」と思い込み、ガチョウのおなかを切ってしまう。ガチョウのおなかの中には金の卵は詰まっていないし、ガチョウも死んでしまった。
インディックスファンドは金の卵を産むガチョウと一緒。ずっとインディックスファンドを持っておけば、コツコツとお金を生んでくれるけど、売ってしまったら金の卵は手に入らない。
大事なことなのでまた書きますが
コツコツと金の卵を産んでくれるガチョウを売らなくていいように
しばらく生活できる生活費を現金で持っておくことを忘れずに
分配金は再投資する
インカムゲインは、インディックスファンドを持っていると得られる分配金のことです。
分配金には「受取型」と「再投資型」があります。「受取型」は分配金が出ると自分の口座に現金が振り込まれ、「再投資型」は分配金が出ても現金は手元に支払われない。そのかわりに、インディックスファンドの中で再投資の現金として活用されます。
厚切りジェイソンさんは、分配金の再投資をおすすめしています。
分配金で増えたお金を再投資すると利益を生み出す元手が増えるからです。長期間の投資で元金に分配金がどんどん積みあがることで複利が働き、将来的には大きな利益を得ることにつながります。
「ETF」を自動で再投資することはできないと思いますが
「投資信託」であれば自動で再投資できます
分配金にも税金がかかる
投資で利益が出ると税金がかかります。利益に対して20.315%です。
内訳は、所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%です。
たとえば、投資信託を売り100万円の利益が出たとします。
売却手数料が1万円かかると99万円に減り、99万円が課税の対象になります。
99万円から20.315%の税金を引くと、20万1119円引かれて手元に入ってくるお金は78万8881円です。エグイでしょ。
分配金も「普通分配金」には税金がかかります。利益に対して20.315%です(大事なことなので2回書きました)
投資で利益が出ても手元に残るのは約8割です
税金高すぎ
外国税額控除や、つみたてNISAを活用しよう
お金を増やす目的は、人生の選択肢を増やすこと
支出を減らして投資に回せるお金をつくる。
3か月分の生活費を現金で持ち、それ以外のお金で米国のインディックスファンドを買う。
米国のインディックスファンドを死ぬまで買い続け、売らない。
この方法で厚切りジェイソンさんは家族5人の生活を守れるだけのお金を増やしました。
お金があれば、生活費のためにひたすら働くこともありません。
お金があるからこそ、自分の趣味に使える時間を増やすこともできるし、家族が望むことをかなえてあげられる確率も上がります。
お金を増やす目的は、自分と家族の人生の選択肢を増やすこと
お金は、一度しかない人生を「お金がないからあきらめよう」で、後悔しないための道具です。
本書で紹介されている方法は、どなたでもできる再現性の高い投資方法です。
お金がなくて後悔しないために今日から投資をはじめてみてはいかがでしょうか。
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