著者の小澤竹俊さんは、ホスピス医だそうです。
ホスピス医とは、末期のガン患者さんを支える医師のこと。
小澤竹俊さんは医療の現場で、「もっとチャレンジすればよかった」「もう一度家族と旅行に行きたかった」といった声をよく聞くそうです。
わたしはこの声を読んで、「確かに。わたしもそんなことを言いそう。」「でも、そんなことは言いたくないな」と思いました。
死ぬ間際、できれば「いい人生だった」と思いたい。そして、家族に「けっこう、あっちこっちへ行ったね」「あの旅行は最高だったね」と、たくさんの思い出を話しながら死んでいきたい。
「いい人生だった」と思いつつ死ねる準備ができるのなら、今のうちから努力はしたいと思いました。
本書で得た忘れたくないヒントをアウトプットしたいと思います。
今後の人生で何を大切にするべきか
今後の人生で何を大切にするべきかを考えたとき、「どう生きるか」にフォーカスして考えてはだめ。
「どう生きるか」にフォーカスしてしまうと、人はより多くのお金を稼ぐこと、より高い地位や名誉を手に入れることにこだわってしまいます。また、必要以上に世間体を気にしてしまう人生を送ってしま可能性があります。
しかし、「もしあと1年で人生が終わるとしたら、最後はどんなふうに迎えたい?」と考えると、自分が本当に望んでいることがシンプルに浮かんでくると本書で紹介されています。
わたしは、「できないことや行けなかったところもあるけれど、かなりやりたいことができた人生で満足」と思いながら、家族に囲まれて死にたいと思っています。
ですから、家族を大切にするのはもちろん、「ちょっと、めんどくさいな」と思っても、「もしあと1年しかないかもしれない」と考えて、できる限りのチャレンジを家族としようとあらためて思いました。
「どう生きるか」と難しいことは考えずに、「やらない後悔よりも、やらかして後悔しよう」というチャレンジ精神で、家族を巻き込み、失敗も成功も一緒に体験していきたいと思います。
もうちょっと周りの人に迷惑をかけてもいいかも
「何もできなくなってしまい、周りの人に申し訳ない」
「子供たちの成長を見守れない自分が情けないし、ふがいない」
60ページ、61ページから
40代半ばで余命半年と宣告された女性の言葉です。
初めはこんなことをおっしゃっていた女性も、しばらくたったころ、自分が死んでしまうことを受け入れて「わたしはあの世で、家族を見守ることにします」とおっしゃるようになったそうです。
この方はすごいなと思いました。
普通は自分のことで精一杯になると思います。「子供たちの成長が楽しみだったのに、見守ることができなくて残念」といった愚痴が出てくると思います。
わたしは、この方ほど周りのことを考えられませんし、この方ほど責任感が強くもありません。
そして、「人に頼む手間を考えると、自分で何とかしたほうがいい」「何かトラブルがあったときに、人に任せるよりは自分でやったほうがあとあと楽」と考えてしまうことがあります。
結果、とても処理できないほどのことを抱えて、時間的、体力的や精神的にキツイことになります。
この考え方を死に際まで持っていくのは嫌だなと思いました。
どうしようもなくなって、いつかはこの方のように人に頼ったりゆだねたりしなければいけないときが来ます。でも、人はそんなに簡単に自分のことを変えられないから、今のうちから人に頼ったりゆだねたりできるように練習をしていったほうがいいですね。
人に甘える練習をしながら、一人で頑張りすぎて消耗しないよう、できない自分を責めないように考え方をあらためていこうと思っています。
一人称の幸せを卒業すると本当の幸せが見つかる
元気なときや物事がうまくいっているときは、どうしても「目に見える幸せ」「わかりやすい幸せ」などの「一人称の幸せ」を中心に考えてしまったり、
「人からチヤホヤされること」「たくさんのお金を稼ぐこと」を幸せだと感じ、それらを追い求めてしまうことも多いと思います。
しかし、お金や地位を手に入れたりする「一人称の幸せ」には限界があります。
「一人称の幸せ」は人とわかち合うことことができません。また、お金や地位を手に入れれば失う恐怖がつきまといます。また、お金や地位を手に入れるためには、人との競争や奪い合いになることが多く、心の平穏は望めません。
体の自由がきかなくなったり、「あと1年の人生」と言われたら、それこそ「一人称の幸せ」は何の意味も持ちません。お金や地位では、その苦しみを和らげてくれることはなく、お金や地位はあの世に持っていけませんから。
でも、「一人称の幸せ」を卒業すれば、大きく安定した幸せを感じることができるようになります。
人の幸せを自分の幸せと感じることができるようになれば、幸せな人と出会う数だけ、どんどん自分の幸せの数が増えていきます。
また、自分が苦しい状況でも、人を幸せにすることができ、人の笑顔を見て幸せだと感じることができれば、それは絶対に心の支えになると思います。
これからは、自分の言葉や行動が誰かの笑顔につながっているかどうかを考えながら生きていきたいと思います。
そして、「一人称の幸せ」しか得ていないところがあったら、どのように変えていけば人の笑顔につながっていくかを考えたいと思います。
わたしの言葉や行動が誰かの笑顔につながっていると感じることができれば、自信を持って、そして新たな気持ちで生きていけると思いますから。
さいごに
「もしあと1年で人生が終わるとしたら?」と考えることは、期限をもうけることです。
この期限をどれだけ本気でとらえられるかが大事になってくると思います。
期限をもうけて、人生の最後で「いい人生だった」と思えるように今から努力しておきたいことは3つ。
1つ目、今以上に家族を大切にし、今以上に家族といろいろなことにチャレンジする。合言葉は「失敗しても、笑っとけ、笑っとけ。失敗や後悔、お金や地位はあの世に持っていけないから」
2つ目、周りの人をもっと頼ろう、ゆだねよう。いつかは体が自由に動かなくなって、人に頼らなければいけないときがくる。どうせやらなくてはいけないのなら、早いうちに甘え上手、頼り上手になったほうがお得だ。ちょっとぐらいできなくても「申し訳ない」とは思わないし、ちょっとぐらいできなくても「情けない」だなんて思わない。
3つ目、わかち合える幸せを大切にすること。自分がキツイ状況でも人の幸せを自分のことのように感じることができれば、キツイ状況をやわらげる心の支えになるはず。自分の言葉や行動が誰かの笑顔につながると感じることができれば、自信を持って生きていくことができるはず。
ガンを宣告された方の声は、とても心に残りました。
心に残った声を忘れないよう、わたし自身も、家族に見守られながら笑って死んでいけるように努力して生きていきたいと思います。