緊張せずに誰かれかまわず会話が弾む会話の達人っていますよね。
正直、すごいと思いませんか?
こっちは「何を話せばいいんだ?」「ちんもく怖い」で悩んでいるのに……。
「『話し方のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた。」で紹介されている、会話の達人を目指すノウハウを紹介します。
本書では、話し方のコツが大事な順番でランキングになっており、今回紹介するノウハウは1位から3位までの3つです。
この3つのノウハウを実践できれば、自分の言いたいことがわかりやすく伝えられます。
そして、相手の言いたいことが正確に理解できるので、相手といい関係を築くことができます。
3つのノウハウを手に入れて、会話の達人を目指しましょう。
1位 会話は「相手」を中心に
相手が中心の会話とは、相手の話をよく聞く、相手の話を否定しない、相手が聞きたい話をする、この3つです。
相手がいないと会話はできません。会話は相手を中心に進めることで弾むのです。
相手の話を否定したり、自分の話ばかりしたり、上から目線でアドバイスしたりなど、自分のいいたいことを一方的に話していては会話は弾みません。
話し上手は聞き上手
人は自分のことが一番大切で、自分に一番興味がある生き物です。
一番大切な自分の話を聞いてくれる人は、自然にいい人に認定され、好意を抱くことがわかっています。
話を聞いてくれる人は、自己重要感を満たしてくれる人です。
自己重要感とは、自分のことを認められたいという欲求のことです。
ですから、相手の話を興味を持って聞くと、好感度が上がり、信頼関係を築くことができます。
また、相手の話を聞くことによって、自分の知識が深まります。
自分の話ばかりしていたら、新しい情報は得られません。
話す2,3割
聞く7,8割
を目安に会話しましょう。
相手の話を否定しない
相手の話を否定しないとは、自分の意見を捨てることではありません。
「それは間違ってる」「それは違う」とすぐに否定しないことです。一方的に決めつけると、相手が不快になります。
相手に不快感を与えずに自分の意見を聞いてもらう方法がまとめられたのがこちら。
自分の生き縁を伝えるときの4ステップ
(1)相手の話をすべて聞く
(2)その考えに至った理由を聞く
(3)相手の意見を受け止める(相手の話を理解したことを伝える)
(4)自分の意見を述べる(ただし断言、断定はしない)
23ページから
まずは相手の言い分をすべて聞きましょう。その後、「あぁ、そんなふうに考えていたんだ」と相手の意見を受け止めて、自分の意見を話します。そういう態度を示すと、相手にマイナスな意見でも聞き入れてもらえる可能性が高くなります。
否定的な意見を述べるときは、「しかし」ではなく「ただ」を使うのがポイント。否定的なニュアンスが薄れて相手の抵抗感が弱くなります。
相手が求めている話をする
自分の話は後回し、相手が聞きたい話をしたり、相手がしたい話を引き出しましょう。
人に好かれるために一番効果的なのは単純接触の量です。要するに、どれだけその人と会ったか。
会ったときに大事なのが雑談で、相手が聞きたいことや話したいことを話題にすると長時間でも雑談は盛り上がります。
自分がしたい話に重きを置くと、会話がストップしたり、誤解やトラブルを招きやすくなります。自分のことより相手のことを考えるからこそ、気持ちの良い会話が実現するのです。
「むしろ自分の話はしなくていいや」ぐらいの気持ちで会話にのぞみましょう
相手の話を聞く目安は、7割から8割です
「それは違う」と感じても、相手の話はすべて聞きましょう
「ただね、それは違うよ」と言うのは、相手の意見を受け止めてからです
大事なことなので何度も言いますが、自分の話はしなくていいです(笑)
相手がしたい雑談をして、もっともっと話し相手に好きになってもらいましょう
2位 「伝える順番」が「伝わり方」を決める
結論をはじめに伝えましょう。
結論を言ったあと、説明に入るのが基本です。
相手に伝わりやすい会話には、ある程度の型があります。
会話のプロが使っている2つの型
(1)逆三角形型……「結論 → 説明」
結論を先に述べる。
(2)PREP法……「結論 → 理由 → 具体例 → 結論」
結論を述べたあと、結論に至った理由と具体例を述べる。最後にもう一度、結論を強調する。
27ページ
型を使うメリットがこのように説明されています。
「型」に当てはめるメリット
(1)どの内容を、どの順番で話せばいいのか迷わない。
(2)結論(何についての話なのか)が正確に伝わる。
(3)根拠、理由が明確になる。
(4)理論展開が破綻しにくい。
(5)情報のヌケ、モレがなくなる。
26ページから
順番を考えずに適当に話を進めていくと、相手は目的地を見失った嵐の船に乗っているようなもの。不安にもなるし、酔います。
前もって自分の頭の中に航路を考えておけば、相手は快適な船旅とともに目的地にたどり着いてバカンスを楽しむことでしょう。
結論をはじめに伝える
結論とは、自分が一番伝えたいことであり、相手が一番聞きたいことです。
結論を先に話してもらうと、相手は「今からこの話についての説明を聞くんだな」という枠が頭の中にできるため、理解度が高まります。
また、一番伝えたいことから話すと短い時間で必要なことが話せますから、途中で会話が途切れても問題ありません。
相手が一番聞きたいことをはじめに話すと、相手の関心が高まり、話を最後まで聞いてもらえる可能性が高くなります。
まずは
(結論)結論から申し上げますと○○です
(説明)なぜならば○○だからです
この二つを口ぐせにしましょう
ちなみにPREP法を使うなら
(POINT)結論は○○です
(REASON)なぜなら○○だからです
(EXAMPLE)○○といったことがありましたから
(POINT)○○の結論は○○です
3位 話し方にメリハリをつける
話し方にメリハリをつけるとは、発生、発音、話すスピードに変化をつけることです。
話し方にメリハリやリズムをつけるときのポイントは、発声(強弱、高低)、スピード、間、語尾の4つに変化をつけることです。
声の大きさと高さに変化をつける
相手に意識してほしい部分は、声を大きくします。
声の高さを変えると、相手に与える印象が変わります。高い声だと、明るく元気な印象で、低い声だと落ち着きや信頼感を与えることができます。
好印象を与える声の高さ、相手に心地よく聞こえる声の高さがあります。ドレミファソラシドの「ファ」と「ソ」の音だと言われています。
ドレミファソラシドと口ずさんでください。自分の中のドレミファソラシドでいいので、ファとソの高さの声を意識して話すようにしましょう。そうすれば、相手との関係を縮めることに役立つでしょう。
ゆっくり話す
人前で話すときは、ゆっくり話しましょう。
人前で話すことに慣れていない人は、早口になりがちです。
早口で話してしまうと聞き取れないことも多くなり、相手にマイナスのイメージを与えてしまいます。
ゆっくり話す人との会話はわかりやすいので相手から信頼が得やすくなります。
ゆっくり話す具体的なスピードは1分間に300文字。
以下の文を読んで、自分の話し方が速いのか遅いのかを理解し、話すスピードを調節してみてください。
「1分間に300文字程度」の例文
「昭和の文章術の本と令和の文章術の本には、共通点もあれば、全く違う点もありました。
最新の本では、明確に書くことが良いとされている一方、歴史ある本では、あいまいさが重視されていました。
文章について幅広く学びたい場合は、古いものから新しいものまで読んでいくと、日本人の表現方法の変遷を見ることができます。
今はブログの文章を読む際、スマホを利用している人が多いです。スマホは画面が小さいので、改行を多くしたほうが読みやすい、と最近の文章術の本は書いています」
(参照:藤吉豊 小川真理子『「文章のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』/日経BP
38ページから
間を意識する
会話の間の短い沈黙には、相手の関心を引きつける効果があります。
間をとると、大切なことを強調できるので、聞き手の記憶に残りやすくなります。
また、聞き手の集中力が途切れにくくなる効果もあります。
会話の中で急な沈黙があると、聞き手は「はっ!?」としますから、こちらの話に耳をかたむけてもらいやすくなります。
語尾をはっきり言葉にする
語尾がはっきり聞こえないと、それだけでイメージが悪くなります。
語尾がはっきり言葉になっていないと、聞き手は「自信がなさそう」「頼りなさそう」と感じるからです。
また、日本語は、語尾で肯定文なのか否定文なのかが決まります。語尾をはっきり言葉にしないと聞き手が勘違いをする可能性があります。語尾をはっきりと言葉にして、余計なトラブルを避けましょう。
相手に意識してほしいポイントは大きな声で伝える
声の高さを変えて相手に与える印象を変えよう
「ファ」と「ソ」の音で会話すると相手に好印象です
とにかく、ゆっくり話そう
ゆっくりの目安は1分間に300文字です
会話の中では以下のように間を意識すること
「今日の日経平均株価は……(0.5~1秒)
2万6750円でした……(0.5~1秒)」
伝えたい情報や大事な話の前後には間を取りましょう
「おはようござ……」までしか聞こえないと、イメージが悪くなりますよ
語尾をしっかりと言葉にして相手に好印象を与えよう
さいごに
1位 会話は「相手」を中心に
相手の話をとにかく聞くこと。相手の話を否定しないこと。相手が聞きたい雑談でもっと自分のことを好きになってもらおう。
2位 「伝える順番」が「伝わり方」を決める
結論をはじめに話す。そのあとで説明をしましょう。
「結論は○○です」「なぜなら○○ですから」を口ぐせに。
3位 話し方にメリハリをつける
声の大きさと高さに変化をつけましょう。「ファ」と「ソ」の高さで話すと相手に好印象を与えることができます。
1分間に300文字程度のスピードで、ゆっくりと話しましょう。
会話には「間」を意識的に入れ、語尾はしっかりと言葉にしましょう。
会話は相手がいないとできません。会話は相手があってこそ。
ですから、「会話は『相手』を中心に」、これが一番大切なことでしょう。
まずは「会話は『相手』を中心に」を意識して話すことを心がけましょう。
そのあとに、伝える順番を工夫してみたり、話し方にメリハリをつける工夫していけばいいでしょう。
話しやすい人、家族や仲のいい友達などと話をするときにノウハウを取り入れていきましょう。
会話が上達する秘訣は、話しやすい人と少しでも長く話すことです。
「会話は相手が中心」さえ意識していれば、会話がうまくなり、親しい人たちとの関係もさらに良くなるなんて最高じゃないでしょうか。